◆悪者の昼食 ページ50
「(オイオイ……中身もグッチャグチャかよ……)」
鉄塔下の森林に戻ると、俺は早速ちんちくりんから貰った弁当を開封する。
弁当箱を包む風呂敷が固結びだったから解くのに少し手間取ったが、何とか開き、蓋を開けると中には拳ぐらいのおにぎりが4つ。ギュウギュウに詰まっていた。
しかも形がボロボロのグチャグチャ。
海苔を巻いて辛うじて形は保っているが、試しに1つ手で持ったら呆気なく真っ二つに崩れた。
中に詰めた梅干しが丸見えになり、俺は思わず笑ってしまう。
こんな不格好なおにぎり、逆にどうやって握ってるのか。作り方をぜひ伝授してほしいね。
丸か三角かもわからない。持った瞬間崩れるおにぎりなんて。
まるで
「…………」
そこまで考えて、俺は笑うのを止める。
大人しく真っ二つになった片方を口に入れ、脳裏に過ぎった考えと共に飲み込んだ。
『じゅっ……ジュンチョーだったよ！
それはもう絶好調！ちゃんと良くなってるって！
このまま行けば病院通わなくてもいいって！』
さっきのあのチビ助との会話が浮かぶ。
病院行ったっつったから検査の結果を聞いたらコレだ。
本当にあのちんちくりんはわかりやすい。
何がジュンチョーだ、ふざけるな。
「(……ああ、まただ)」
頭が沸騰しかけて、ふと我に返った。
アイツの事になるとどうしてこう、イライラしてしまうんだろう。無性に腹立たしくなるんだろう。
そういう才能でもあるんだろうか。
そもそも、何に対してそこまで感情的になってしまうんだろうか。
「(他人の身体の事なんて知ったこっちゃない。
つーかアイツはただのマネージャー。選手でもなければ特に重要なポジションにいるわけでもない。
もう前みたいに接しなくてもいいはずなのに、俺は……)」
もう半分のおにぎりも口にする。
米に塩が付いてないんだろうか。
梅干しの味しかしなかった。
ソレをペットボトルのお茶で流し込む。
浮かんだ考えと共に流し込む。
「(………俺は………)」
……メルヘン脳とつるんでると、こっちまでメルヘン脳になっちまうらしい。
今だけ泡になる魔法とかに掛かったりしねぇかな。
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＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます…！励みになります…！ (2021年10月15日 0時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！不動との進展に目が離せません！ (2021年10月13日 1時) (レス) @page12 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます…！ノロノロ更新ですみません…orzでも楽しみにして頂いて嬉しいです！更新頑張りますー！ (2021年10月2日 22時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2021年10月2日 0時) (レス) @page9 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» ありがとうございます…！ (2021年8月26日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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