◇ラプンツェルはヘタクソ ページ48
「こっ…コレ！頼まれてたお弁当！
ちゃんと、ちゃんと作ったから…！」
「……」
「って、言っても…お、おにぎりなんだけどね！あ、あはは……でもでも！具はフツーのにしたから！ハンバーグとか、オムライスとか、カレーとかじゃないから安心して、ね？」
お弁当箱を差し出すと、フドウは視線をお弁当へ。
風呂敷で包んでいるはずなんだけれど、じっとソレを受け取らずに見つめるフドウはまるで中身を眺めているように見えた。
ふ、フドウって透視能力とかあったりするのかな…？
それとも、やっぱりお弁当いらないって言うのかな…？
不安と期待が入り交じり、私はただフドウの言葉を待っていると、不意にフドウは視線を私に戻して、一言言った。
「……ヘタクソ」
「…………へっ？」
……本当に透視能力でもあるのかと思った。
フドウの一言に私は目を見開く。
まだ中身を見てもいないのにそう言われたら誰だって。驚いちゃうよ。
フドウは唖然とする私をよそに、お弁当を指差しで続けた。
「包み方だよ。なんだよ、コレ？グッチャグチャじゃねぇか」
そう言いながら、フドウは私の手からお弁当を受け取り、結び目を見て「しかも固結び……」と呟く。
び……びっくりしたぁ……
お弁当の中身の話かと思った。
内心、胸を撫で下ろしたけれど、すぐまた私は目を瞬かせた。
「だ、だって結び方わからなかったし……
ちゃんと解けないようにしようと……」
「だからって固結びはないだろ……それにグッチャグチャだし」
「な、中身見えないんだからいいでしょ！
文句ばっかり言わないでよ！」
……予想外の所で意地悪された。
いや、これは完全に私が悪いんだけれど。
だから言い返したくても言い返せなくて。
悔しいから「いらないならいーよ！」って差し出したお弁当箱を一旦引っ込めてそっぽ向いた。
そうしたらフドウ、呆れたような顔しちゃってさ。
目の前で大きな溜息を吐いた。
「こんなんでヘソ曲げるなよなぁ……」
「フンだ！フドウなんか知らないもん！
お腹空いて倒れちゃえばいいんだ！」
「昼メシ抜いたぐらいで倒れるかよ…
じゃ、いい。俺は戻る」
「…………えっ」
私なりに意地悪し返してあげたつもりだったけれど
返ってきた返事は思いの外あっさりしてて。
そのまま踵を返して本当に行っちゃいそうだったから、私は思わずフドウのユニフォームの裾を掴んだ。
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＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます…！励みになります…！ (2021年10月15日 0時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！不動との進展に目が離せません！ (2021年10月13日 1時) (レス) @page12 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます…！ノロノロ更新ですみません…orzでも楽しみにして頂いて嬉しいです！更新頑張りますー！ (2021年10月2日 22時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2021年10月2日 0時) (レス) @page9 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» ありがとうございます…！ (2021年8月26日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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