◇ラプンツェルと悪者の昔話 ページ32
「…そんなんだから、今みたいに昔も仲間外れにされてたりして〜！」
「……」
私は行けなかったのに、そんな事言うから。
いつもの仕返しついでにちょっとイジワルしたくて。
冗談っぽく言いながら私はおにぎりを頬張る。
ﾁﾗﾘと横目でフドウの反応を見てみると、フドウは途端に黙り込んでしまい、頬張る口が思わず止まる。
……もしかして、ほんとに仲間外れにされてた……？
心做しか、表情もなんか……
「…別に、俺は構わなかったさ。
そん時にはもう周りから避けられてたからな。場所が変わっただけだ」
こういう時に限って、わかりやすい表情をしてくれないフドウ。
何処か遠くを眺めながら、淡々とした口調で話すから
本当に気にしてないようにも聞こえるし、強がっているようにも聞こえた。
「……なんで、避けられてたの？」
「さぁ？ビビってたんじゃねーの？」
「ビビってた…？」
「喧嘩は強かったからよ。いじめっ子とか年上にも喧嘩売ってたら、学校中で噂になっちまったようでな。
誰かさんみたいな物好きもいなかったし、おかげで小坊の頃は人が寄り付かなかったなァ」
「……」
「……言っとくが、変に同情とかはするんじゃねーぞ。ムカつくから。
それに、昔の事は何とも思っちゃいない。
気に止めるだけ時間の無駄だぜ？」
ふとフドウは横目で私を見ながら、意地悪く笑う。
そう言ったって、話を聞いてる限りは『ちょっと寂しいかも…』と思ったり。
寂しくは思わなくても、やっぱりちょっとは気にしたりしていたのかも。
みんなで遊びたいな、騒ぎたいなって思ってはいたのかも。
……まぁ、もう過去の事だし、フドウは本当に気にしてないように見えるし。
真実はわからないけれど、フドウの言う通り気にしない事にした。
「さて、お次は……って、なんだコレ？ハンバーグ？」
「あ！それ私用に買ったやつ！」
「へぇ〜……じゃ、貰うな」
「け、結局変わり種も食べるんじゃんっ…！
ていうか私用だってばーー！！」
フドウの話に珍しくしんみりしちゃっていたら
おかかのおにぎりを食べ終わったフドウがビニール袋に手を突っ込んで、適当に取ったおにぎりの封を破り始める。
でもそのおにぎりは私用に買った変わり種おにぎり。
取り返そうと腕を伸ばしたが、悪魔のように笑いながらフドウに片手で制されて、結局奪われてしまった。
☆オウジサマと彼女の居場所→←◇ラプンツェルはエンソクみたい
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＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます…！励みになります…！ (2021年10月15日 0時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！不動との進展に目が離せません！ (2021年10月13日 1時) (レス) @page12 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます…！ノロノロ更新ですみません…orzでも楽しみにして頂いて嬉しいです！更新頑張りますー！ (2021年10月2日 22時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2021年10月2日 0時) (レス) @page9 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» ありがとうございます…！ (2021年8月26日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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