◇ラプンツェルとおにぎり ページ29
「何でも良いって言ってたのに『変なモノは買ってくるな』って……そんなの何でも良くないじゃん！フツーのおにぎりってどんなおにぎりなの！」
フドウと別れた後、私はﾌﾞﾂﾌﾞﾂと文句を言いながらコンビニに向かう。
フドウったら酷いんだよ。
『なんでもいい』って言った後に『でも変なのは買うなよ』って。すっごく面倒。
『普通のでいい』って言うけど、フツーのおにぎりって何？
そりゃ最近のおにぎりは変わり種もいっぱいあるけどさ！コンビニのおにぎりって全部美味しそうじゃん！
こうなったら塩おにぎりしか買ってやらないんだから…！
そんな感じで怒りながら私はコンビニに到着。
真っ直ぐおにぎりのある棚の場所に向かい、フドウの要望通り
「(シャケとかおかかとかはフツーでしょ？
カルビは…フツーじゃない？でも美味しそう！
イクラにマグロ…？絶対美味しいヤツじゃん！
隣のは…お、オムライス？！こんなのまでおにぎりにあるの？！)」
最初はフドウに言われた通りの物を選んでたんだけどね。気付いたらフツーじゃないおにぎりに興味が湧いちゃって。
だってだって！オムライスとかカレーとか卵かけご飯とか！そんなものまでおにぎりにあるんだよ！すごくない？
病院の売店にあったのはフツーのしかなかったからビックリ。
え〜〜！すっごく気になる〜〜！どんな味なのか食べてみた〜〜い！
「(…ついでに私の分も買ってもいいよね？)」
そろそろお昼だし、私もお腹空いたし。
そう思って私は変わり種も手に取って見て。
どれにしようかなって、それぞれ味を想像しながら考えた。
−−−
「…おっせェ」
そんな事してたから、頼まれた物を購入してお店を出た頃には1時間近く経っていた。
気付いて慌ててフドウの元まで戻るがやはり遅く
鉄塔前の森林内で待っていたフドウは目に見えて不機嫌そうな怖い顔をして立っていた。
「昼メシ買うのに何時間かかってんだ、ちんちくりん」
「ご…ごめんなさい…選ぶのに、夢中で…つい」
「何選ぶのに夢中になってんだ。
変なのは買うなっつっただろ？」
「だ、だって……最近の、おにぎりって…すごくて……」
ここまで走って来たから、ゼェゼェと息をしながら、私はコンビニの袋をフドウに渡す。
フドウは半ば奪い取る形で私から袋を受け取ると、中身を確認。
そうしてまた怖い顔になって私を見遣るので、私は答える代わりに苦笑いを浮かべた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 187人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます…！励みになります…！ (2021年10月15日 0時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！不動との進展に目が離せません！ (2021年10月13日 1時) (レス) @page12 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます…！ノロノロ更新ですみません…orzでも楽しみにして頂いて嬉しいです！更新頑張りますー！ (2021年10月2日 22時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2021年10月2日 0時) (レス) @page9 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - mikittyさん» ありがとうございます…！ (2021年8月26日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
