相変わらずなのです ページ37
「随分、調子戻って来たようだな?」
練習風景を眺めていると、ふと隣で同じくグラウンドを見つめていた不動さんがそう言った。
私は不動さんの方を見遣ると、不動さんは横目で目を細め、私を見ていた。
珍しく優しい表情の不動さんに内心ドキドキしながらも「はい」とだけ返事をすると、不動さんはふっ、と口元を綻ばせた。
「安心したぜ。古城はやっぱそーでないとな」
「そう、とはどう、なのでしょう?」
「あん?自由人で頑固で胃袋が底無し沼のお調子者の古城さんだよ」
「………………私って、自由人ですかね?」
「ツッコむ所そこだけかよ」
……そう言う不動さんも相変わらずなのです。
いえいえ、そんな事あるわけないじゃないですか。
ただ、数が多いから処理し切れないのです。
まぁ『胃袋が底無し沼』は間違ってないんですけれど。
ああ、でもやはりこのやり取りが心地よい。
何だか久々にこういうやり取りをしたような気がします。
だからか、私、笑ってしまっていたんですかね。
「何ニヤニヤしてんだよ」って不動さんに言われてしまい、私は慌てて笑うのをやめました。
でもそうしたら不動さんは「何で笑うのやめるんだ」なんて言うのです。
笑ってほしいのか、そうでないのかハッキリして欲しいものですね。
「ところで不動さん、不動さんは昨日も雷門に来ていたんですか?」
そんな話をしていると、ふと思い出したので不動さんに聞いてみる。
部員の皆様の話によると、不動さんは昨日も雷門に来ていたそうじゃないですか。
つまり、今日で2日目。2日連続で来てるんです。
でも私、昨日は絶賛落ち込み中で来れませんでした。
そりゃ、私が来なかったのが悪いんですけれども。
「あー……まぁ、」
「………………」
「そんな顔するなら休まないで来いよ」
不動さんは私から目をそらしつつも正直に答える。
ので思わず私は黙り込んでしまうと、不動さんに至極最もな事を言われてしまいました。
58人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*IJu*(プロフ) - 白銀さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです^^更新頑張りますー! (2021年11月27日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
白銀 - めっちゃ好きです。頑張ってください! (2021年11月25日 0時) (レス) @page4 id: e22066a027 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ