恵まれているのです ページ36
その日はサッカー部でも同じように扱われました。
私が来るとそれぞれ何かしていたはずなのに、わっ、と集まって「心配した」「来てくれて良かった」「大丈夫？」「元気そうだな」なんて声を掛けて下さって。
優しい言葉のオンパレードに私は呆然としてしまいましたら、神童さんに「まだ具合でも悪いのか…？」なんて心配されてしまいました。
ああ、私は本当に恵まれているのです。
「まーた勝手にどっか行きやがって！
今回は何処行ってたんだ？」
「いや、今回はそーゆーのじゃなかったんだろ？
ご飯、食べてなかったらしいし」
「え？あのAが？？」
「本当にもう大丈夫なんですか……？」
「しんどかったらちゃんと言うんだぞ？
マネージャーも大変な仕事だからな。
無理はするものじゃない」
「三国が言っても説得力無いド」
「しょっちゅう限界まで自分追い込むクセに」
「うっ……」
でもこの賑やかな感じはやはり安心すると言うか。
まるでお日さま園にいる時のようで、騒がしいのに安らぎを感じます。この中でお昼寝できそうです。
とりあえず「大丈夫」「心配しないで下さい」と答えて、ついでに昨日の回転寿司のお話をしたら、皆様に苦笑いをされてしまいました。
「おいーっす」
「あ、不動コーチ！」
と、その時。
幸運な事に部室に不動さんが登場。
不動さんが来たら皆が一斉に不動さんの方を向いて、挨拶をする。それに不動さんはいつも通り気だるげに答えると、ふと不動さんと目が合った。
ああ、運命ですね。私が来たタイミングで不動さんも来られるなんて。それとも、私の為に来てくれたんでしょうか。考え過ぎでしょうか。
不動さんは目が合うと、何処か安心したように微笑む。
その表情にちょっぴりドキドキしてしまいました。
「不動コーチ、今日も来たんですね」
「まーな」
「Aちゃんに会いに来たの〜？」
「なっ……いや、まぁ多少は気になってたケド……」
「ちゅーか不動コーチー！俺も寿司食いたい〜！
狩屋とAだけずる〜い！」
「は？寿司？」
不動さんが来るとまた部室内が賑やかになる。
浜野さんの発言に一部の部員も「そーだそーだ！」と声を上げ、何人か不動さんに詰め寄った。
私が昨日の回転寿司のお話をしたばかりに……
私と狩屋くんはとりあえず巻き込まれないよう、遠巻きに見つめた。
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＊IJu＊(プロフ) - 白銀さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて嬉しいです^^更新頑張りますー！ (2021年11月27日 23時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
白銀 - めっちゃ好きです。頑張ってください！ (2021年11月25日 0時) (レス) @page4 id: e22066a027 (このIDを非表示/違反報告)
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