吐きそうなんだ ページ32
「うぷっ……吐きそう」
ようやく店から出ると、狩屋は口元に手を当てて吐き気を抑えた。古城の食いっぷりを見てそうなる気持ちは正直分かる。アイツ、最終的に70皿近く食ってたからな。
対して古城はケロッとしていて「美味しかったです」と満足そうな顔をしていた。
相変わらずコイツの胃袋はどうなっているんだろう。
もうフードファイター目指せばいいんじゃないだろうか。
「ところで狩屋くん」
「…なに？」
「今日の夕飯はなんだと思いますか？」
「まだ食う気？！」
……本当にどうなってるんだ、コイツ。
マジで胃袋に穴でも空いてるんじゃないだろうか。
冗談か本気かわからない会話を繰り広げた後
古城はふと、こちらの方を向いて、丁寧にぺこりと頭を下げた。
「久しぶりにいっぱいお寿司食べました。
不動さん、ありがとうございます」
狩屋もそれに倣って「あざっす」と同じく軽く頭を下げる。律儀でお利口さんなヤツらだ。
そんな2人の頭を撫でてやると、古城は嬉しそうに
狩屋は若干嫌そうにしながらも、大人しく撫で受けた。
「礼ならあの赤髪に言いな。
好きなの食わせろって2万渡してくれたんだから」
「そうだったんですか。南雲さんもたまには良い人ですね」
「いや……寧ろ、Aには結構甘々な気がするんだけど、あの人」
「そうなんですか…？確かにおやつ貰う頻度は他の方々より圧倒的に高いですけれど」
「……そんなに貰ってるの？」
「わりとしょっちゅう」
「はぁ〜〜〜？俺貰った事あんまないんですケド？？」
そんな話をしながら帰路につく。
いつも通りの下らない話をする2人を見たら、何だか安心してしまった。
彼女なりに、親父さんの事は立ち直れたんだろうか。
少なくとも今の古城からはそう捉えられるが……
帰って1人になったらまた泣いたりしないだろうな。
まぁ、そう簡単に癒えるものではないだろう。
また今回みたいに沈んでしまう日もあるかもしれない。
そうならないよう、彼女の傍にいる時は気を使わないとな。
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＊IJu＊(プロフ) - 白銀さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて嬉しいです^^更新頑張りますー！ (2021年11月27日 23時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
白銀 - めっちゃ好きです。頑張ってください！ (2021年11月25日 0時) (レス) @page4 id: e22066a027 (このIDを非表示/違反報告)
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