秘密にするんだ ページ31
「あ、不動さん」
注文した物が届き、ソレを取ってテーブルに並べた後、食べる前にふと古城は話し出した。
さっきの話の続きだろうか。
俺は返事を返すと、古城はやはり無表情で淡々と告げた。
「先程の話、誰にも離さないで下さいね」
「えっ？なんで？」
「話したらどうなるかくらい、わかりますでしょう？」
「………………」
最初はそんな薄情な、なんて思ったが
すぐにそんな考えは消え去る。
古城の周り……特に幼馴染のメガネくんは今の話を聞いたらスゴい取り乱すだろうな……アイツ、古城の事になると過保護で盲目だから。
終いにゃ『僕もついて行きます！』なんて言いそうだし
その場面が容易に想像出来てしまった。
影山も古城にご執心だし、瞬木だって見た目に寄らず古城の事を気にかけているみたいだし。
他にも、俺が知らないだけで知らず知らずの内に誑かしている輩がいるかもしれない。
お日さま園の連中も嘸かし賑やかになるだろうよ。
それこそお祭り騒ぎってヤツだ。
「………………うん、わかった。言わない」
「ありがとうございます」
次から次へとその場面が浮かび、俺は思わず頭を抱えながら応えると、古城は小さく微笑みながらそう言った。
でも流石に、古城が此処を離れる直前まで黙ってるのも何だから、一応「でも色々決めたら、ちゃんと自分から言うんだぞ」と付け足すと、古城はこくりと頷いて、自分が注文したとろサーモンに手を付け始めた。
「ただいまー……って、うわ、まだ食うのA？」
丁度そのタイミングで狩屋が席に戻って来た。
狩屋は戻って早々、テーブルに広げられた6皿の寿司を見てｷﾞｮｯとした顔をする。
そりゃそうだ。もう50皿近く食べているのにまだ食う気なんだぞ、コイツ。
狩屋は20皿辺りでペースが落ちて、今じゃ甘味しか食わなくなってるってのに。
「まだ私の胃袋は満たされていませんので」
「Aの胃袋は幾ら詰め込んでも満タンにならないでしょ。穴でも空いてるんじゃないの？」
「…………空いてたら手術とかしなきゃいけませんかね？」
「ねーから安心して食え。ほら、ケーキも流れて来たから」
「取ります」
「まだ食べるの？！」
俺も胃袋的にはそろそろ限界だが、古城の食いっぷりから見るに、まだまだ帰れそうにはなさそうだ。
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＊IJu＊(プロフ) - 白銀さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて嬉しいです^^更新頑張りますー！ (2021年11月27日 23時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
白銀 - めっちゃ好きです。頑張ってください！ (2021年11月25日 0時) (レス) @page4 id: e22066a027 (このIDを非表示/違反報告)
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