頑張るんだ ページ30
「…………そうか」
彼女の話を聞いて、俺は彼女の手の甲を撫でるのを止めると、顔を上げて古城を見遣る。
古城は「そうです」とオウムのように返して、ただ俺を見つめる。相変わらずの無表情で。
……でも、その瞳に迷いはなかった。
それもそうか。こういう話になると頑固だもんな、お前は。
なら、俺に出来る事は1つだけ。
「……まぁ、頑張れ」
「…………はい」
俺はそう言って、古城の頭を撫でてやると
古城は拍子抜けしたような顔をした後に、小さく頷いた。
俺に止める権利はない。
彼女が変わりたいと言うのなら、俺はそれを見守るのみ。
下手に手を出したら、また甘やかしてしまうから。
「なんか、困った事とかあったら言えよ」
「はい、勿論」
「連絡とかもして来ていいからよ。
……でも24時間は受け付けてないからな」
「はい、わかってます」
「……長期休み取れたら、ちゃんと帰って来いよ。
でないと、こっちから行く羽目になるぞ」
「はい？何言ってるんですか、ちゃんと帰りますよ。
流石に3年間不動さんに会えないのは辛過ぎますからね。
でも会いに来てくれてもいいですよ」
古城はそう言って、悪戯っ子のように笑う。
心配だなぁ。不安だなぁ。
そんな思いを飲み込みながら、俺は｢じゃあ行く｣とだけ答えてやった。
俺はいつからこんなに心配性になったんだろう。
自分で自分に呆れてしまう。
でもまぁ、ほんの3年だけだ。
いや、そろそろ彼女は2年生になるから、2年か。
そうすれば彼女は帰って来る。
そうしたら古城は一体どんな風になっているんだろう？
今とあんまり変わらないんだろうか？
それとも、感情表現が豊かになって、益々可愛らしくなって来るんだろうか。
想像出来ない、古城のこれから。
想像しようとして、あまりにも早とちりな自分にまた呆れた。
まだ彼女が予定しているだけで、何も実行に移してないってのによ……
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＊IJu＊(プロフ) - 白銀さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて嬉しいです^^更新頑張りますー！ (2021年11月27日 23時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
白銀 - めっちゃ好きです。頑張ってください！ (2021年11月25日 0時) (レス) @page4 id: e22066a027 (このIDを非表示/違反報告)
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