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予想してなかったんだ ページ26

「考えてる……事?」



思わずオウム返しに口にしてしまう。

なんだ、そんなの初耳だ。聞いてない。
それとも、また下らない事だったりするのだろうか。


返事を聞きたい所だが、マグロを口に入れてしまったので返答を待つ。
彼女がマグロを味わっている時間がやけに長く感じ
ようやく飲み込むと、古城は相変わらずの無表情で続けた。



「私、稲妻町を出ようと思ってるんです」

「……………………えっ」



…………それは、全く予想もしていなかった事だった。


またふざけてんのかと思ったが、違う。
よく見たら真剣な表情をしていた。


だからこそ呆気に取られてしまい、彼女がマグロを食べ終わるまでただただ瞬きを繰り返すだけだった。

古城に名前を呼ばれて、ようやく俺は我に返ると
俺は一応確認する為に彼女に尋ねた。



「…………………マジ?」

「本気です」

「なっ…なんで?」

「お父さんの住んでいた所に住みたいな、と思いまして」

「お、親父さんの所?それって……」



思い浮かぶのはあのマンション。
元々親父さんが住んでいたらしい、1人で暮らすには少し広めのマンション。

親父さんの代わりに彼女が住むのかと思ったが、直後に古城は「あそこではないです」と首を横に振った。



「場所的には間違っていませんが……少なくとも、あのマンションは選ばないようにしたいです。
出来れば海の見える所が良いんですが……」

「…え、何?お前、もしかしてまだ何も決めてないの?」

「はい、今さっきそうしようかなって思い始めたばかりなので。住む場所も通う学校も何にも決めてません」

「…………」



……相変わらず、いい加減なヤツ。
珍しく真剣な顔してるから、もう決めてるものとばっかり。

しかも決めたの今さっきって何だよ。
即決過ぎるだろ。もう少し考えろってんだ。


しかし表情は依然として真剣なままなので、適当言ってるって事でもなさそうだ。

俺は1度お茶を飲んで落ち着くと、彼女に尋ねた。

心配で堪らないんだ→←これからどうするんだ



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*IJu*(プロフ) - 白銀さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです^^更新頑張りますー! (2021年11月27日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
白銀 - めっちゃ好きです。頑張ってください! (2021年11月25日 0時) (レス) @page4 id: e22066a027 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月5日 14時

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