これからどうするんだ ページ25
「ちょっと俺、トイレ行って来る」
その後も喧しく騒ぎながら食べ進めていたのだが、ふと狩屋がそう言って席を立った。
席を離れる直前、狩屋に睨まれた気がしたが……まぁ、気のせいではないだろう。
そんな怖い顔しなくても何にもしないっつーの。
「不動さん、次とろサーモンと甘海老でお願いします」
「何皿？」
「3皿ずつで」
「あ、はい」
狩屋がいなくなっても彼女の食欲は衰えを知らない。
ここ数十分で彼女の注文の仕方にも慣れてしまって
俺はただ淡々とモニターをタッチして注文した。
一体コイツは何処まで食う気なんだろう。
もう50行くのだが。
いや、今の注文で行ったわ。
なのに目の前のヤツは平然と餡蜜食ってるし。
更に流れて来るお寿司にまで手を付けるし。
相変わらずバケモノのような食いっぷりだな。
「…そういや、古城」
「ふぁい、あんえほう？」
「すまん、飲み込んでから喋ってくれ」
ふと話したい事が浮かんで彼女に尋ねようとしたが、タイミングが悪かった。
今まさに餡蜜の最後の1口を入れた所で
それでも彼女は律儀に返事をしやがる。
このまま喋らせても分かるのは佐久間ぐらいしかいない。
なので俺は食べる事に集中させると、古城はもぐもぐと無言で咀嚼し、飲み込んだ後、再び口を開いた。
「はい、何でしょう？」
「ああ…これからどうするのかな…って」
「これから…？そうですね、お家は別に広くなくてもいいですけれど、キッチンは広めが嬉しいです。
あと子供は2人……ですかね。出来れば金魚とか飼いたいので、そのスペースも欲しいです」
「誰が俺達の将来の話をしろと言った」
この……早とちりおマセさんめ。
でも物件選びの参考にはなりそうだったから、今の情報は覚えておこう。
それはそれとして、俺は彼女に向き直ると
古城も雰囲気を察したのか、俺の方を向いて背筋を伸ばした。
「……どうする、とはどういう？」
「ほら、親父さんが……その、亡くなっただろう？
だから、どーすんのかなって」
「別にいつも通りに過ごすんじゃないでしょうか？
それとも、何か変わるとでもお思いで？」
「お思いだから聞いてんだろ」
とぼけてるのか、いつもの調子なのか。
古城はわざとらしく首を傾げる。
気になったから聞いたってのに。
古城は餡蜜のお皿を下げ、いつの間にか手にしたマグロに醤油を付けながら、ふと口を開いた。
「まぁ、1つ考えてる事があるんですけれどね」
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＊IJu＊(プロフ) - 白銀さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて嬉しいです^^更新頑張りますー！ (2021年11月27日 23時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
白銀 - めっちゃ好きです。頑張ってください！ (2021年11月25日 0時) (レス) @page4 id: e22066a027 (このIDを非表示/違反報告)
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