△リボンが80こ▽ ページ34
結局、バターロールもスティックパンも2つずつ買う羽目になり、そのままレジへと進んだ。
真名部は結局、自分の物と同じ物を買いたがるAの心理がわからなかったが、当の本人は満足しているようだったので、真名部はそれ以上深く考えるのをやめた。
ようやく全ての買い物を終え、真名部達はデパートの外へ。
そこからはまた歩きで帰る事になるのだが
当然行きと違って荷物が増えたので、帰路は体力も力も無い真名部には少々キツかった。
かと言ってAに荷物を全部持たせるワケにもいかず、半分こにした荷物を持ち、Aの話で気を紛らわせながら、やっと家に辿り着いた。
「うっ…………」
Aが持っていた鍵を空け、扉が開いた瞬間、立ち込める異臭。
その家独特のにおいに混ざり、ゴミやらよくわからない物の臭いが混ざった悪臭。
暫く外にいた真名部はその臭いに思わず鼻を摘むが
Aは特に気にする様子は無く、真名部が家に入るまで扉を開け続けてくれた。
少々入りにくかったが、真名部はその家に入ると、玄関前で靴を脱いで揃えた。
そうして奥の部屋の中に入ると、更に強い異臭が鼻を突き、真名部は顔を顰めてしまう。
この臭いに今朝まで慣れていた自分が恐ろしい……
足の踏み場もない部屋には今朝Aが作ってくれた(と言ってもただ端に避けただけ)道が辛うじてあったので、真名部はその道なりに進みソファに腰掛ける。
「(とりあえず……何とかバレずに帰って来れました……)」
そうして1つ、安著の息を吐く。
誘拐された被害者の真名部がそう思うのは滑稽な話だが、この時の真名部は自分の正体が気付かれずに済んだ事を心底安心してしまっていた。
少しして真名部自身も、自分のその思考に思わず自嘲的に笑う。
『何をしているんだ』と自分で自分をツッコむが、もうこの時の真名部にはこの家から逃げたいとは思わなかった。
ただ代わりにもう1つ、新たな思惑が彼の中で芽を出していた。
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＊IJu＊(プロフ) - 僥姫さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
僥姫 - やばい 面白い (2020年7月2日 10時) (レス) id: b3f17b46d5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです|ω`)これからも頑張らせてもらいます〜！ (2020年6月18日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 続編おめでとうございます。少しずつ主人公ちゃんに心を開き始めている真名部くんや、この先の展開にいつもワクワクしながら読み進めています。これからも応援させていただきます…! (2020年6月17日 6時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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