【銀魂】江戸に住んでもろくなことない。

12.　マヨとミルクとタバコ ページ12

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「サド丸〜元気だった？
今日はちゅーる買ってきたんだよ」


沖田くんと出会って以来、私は定期的にサド丸に会いにきている。

沖田くんと約束している訳ではないから、
彼はいたり、いなかったり。


当時やせ細っていたサド丸も、
なんだかちょっとふっくらした気がする。

たぶん私のせい。


ニャア、ニャアとじゃれついてくるサド丸は
すっかり私に心を許している。


こうしてサド丸の相手をしながら、

私はいつも考え事をする。


最近は専ら、アノことだ。

銀さんの違う顔を見た時のこと。



あれから何度か、銀さんと顔を合わせたけど

あの時のことについて会話をしたのは
ただの一度もない。

というより、隙がない。

いつも誰かがいて、二人になることがまぁなくて。


避けられてる？なんて思ったけど

私も気恥ずかしくて、
振り返らないでいいならば
振り返らないでおきたかったりする。

ちょっと気持ちも整理したいから。


そうやってぐるぐると考えていると、
ふと後ろに誰かの気配を感じる。

沖田くんだろうか。


「あっ、土方さん」

「よォ」

「ここ、サド丸の家ですよ
不法侵入ですか？」

「こんな道端が家であってたまるか」

「でも珍しいですね。土方さんが来るなんて」

「タバコ買うついでに、総悟の代理だ」


みると小さめのビニール袋から
猫用のミルクがはみ出ている。


「沖田くんって、ちょっとぶっきらぼうだけどいい子ですよね」

「猫にはな」

「え？普通にいい子じゃないですか？」


土方さんが呆気にとられように目をぱちくりさせている。

…なんか、貴重かも。


「オイ何撮ってんだ」

「土方さんのそんな顔、珍しいから。面白くてつい」

「ぶっ飛ばすぞテメエ。消せ。それよりなに？
総悟が、いい子だぁ？
羊の代わりに人の死体数えたり
人のマヨネーズにタバスコぶちこんだりする奴がか」


イライライラと
土方さんの背後に暗雲が立ち込める。

ああ…割と根に持つタイプだなこの人


「土方さん…そういうところですよ」

「うるせェ！ほっとけ！」

「あのそろそろ火、落とさないと」

「あ゛ッつ゛！！！」


「言わんこっちゃない‥。
でもそういえば、どうして土方さんが？」

「あァ、ちょっとな」





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