эпизод side Ａ─１６ ページ20
＊
『いやあの、ですからデートでは…』
全力否定しようとしたものの、空中に出てきたゴーゴリさんはぱっと紙吹雪を残して消えた。
『…世界って広ぉい…』
この一言に尽きる。他になにか言えるような気がしない。呆然と、というよりは虚無の表情で虚空を見つめる私を見てフェージャさんはくすくすと笑った。
「それでは邪魔…いえ、行きましょうか」
『あっ、はい！』
いま邪魔者って言おうとしてましたよね、というツッコミは心の奥底に閉まっておこう。三歩歩いたら忘れる程度の奥底に。。私は鶏か何かか？？
「実はぼく、こういう場所に来るのが初めてで…」
『そうなんですね…！！初めてが私と…。もっと他にいい人が』
居たでしょうに、という言葉を口にする前にフェージャさんの人差し指が私の唇に触れた。
少しだけ細められたフェージャさんの瞳に吸い込まれてしまいそうで、なぜだか鼓動が早くなるのを感じた。
「ぼくはAさんと来ることができてとても嬉しいです。なのでそんなことは言わないでくださいね」
横浜の夜が孕んでいる妖艶な空気を纏い、フェージャさんは言葉を口にした。
可笑しいな、今って昼間だよね…？と考えてしまうくらいには空気に飲まれ、顔を赤く染めていた。そこまで暑い日ではないのに関わらず、体がほかほかと温まるのを感じる。
「やっぱり、可愛い人ですね」
『かわ…！？』
可愛いなん聞き慣れてない。
どうしよう、今日一体何回死んでしまえばいいのだろうか。
更に顔を赤くしたであろう私を見て、フェージャさんは「ふふ、そういうところですよ」と満足気に笑った。
…うん、これはきっとフェージャさんの出身国じゃあ当たり前のことなんだろう！ヨーロッパとかこんな感じらしいし！！
きっと私の反応を見てからかってるだけに違いない、
『さ、さあ！チケット取りに行きましょう…！！』
火照った顔を手で仰ぎながらフェージャさんを押し返し、私達は水族館の入り口へと向かったのだった。
…なんかやっぱフェージャさんからかってるだけじゃない気がするなあ！！気づいてないふりしよう。うん。
＊
新しい夢(猟犬夢)を書いているんですが、テンション上がっちゃって【PV的なもの】作っちゃいました。
時間があるときにでも見ていただけるとホップステップジャンピングしちゃいます。
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天然石 - 更新してほしいです頑張ってください (5月14日 21時) (
レス) id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
柏よもぎ(プロフ) - sareさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます…！そうやって褒めてくれる貴方様のほうが女神様ですわよ…（キュン（（） (2022年10月27日 21時) (レス) id: c1bfd5c1d9 (このIDを非表示/違反報告)
sare(プロフ) - うわぁぁぁ、ありがとうございますほんとに。これでドスくんを補給できます()女神ですか？？ (2022年10月19日 18時) (レス) id: b938a5d84e (このIDを非表示/違反報告)
柏よもぎ(プロフ) - さばさん» そう言っていただけてとても嬉しいです…！！！ありがとうございます！ (2022年8月18日 9時) (レス) id: 9a8037afe6 (このIDを非表示/違反報告)
さば - あああああああああ！！やばい！ドス君尊い！作者様神では！？？？ (2022年8月18日 3時) (レス) @page10 id: f8d5076105 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柏よもぎ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/ichigo15ca1/
作成日時：2022年7月3日 20時
