эпизод side A─13 ページ16
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『っていうかフェージャさん来てたんなら助けてくれても良かったんじゃないですか!?』
「ぼくも今来たところなんですよ。それで、そちらの男性は?知り合いですか?」
『全然知り合いじゃないですよ!!この状況のどこ見てそうなるんですか!!』
未だ掴まれたまんまの手を振り払う。男は「いったァ!!」と叫び蹲った。
あ、ごめん。悪気はなかったんだ。と心のなかで平謝りし、落とした本を拾って鞄の中に戻した。
「そうですか。では後はゴーゴリに任せてぼくと行きましょうか」
『え、で、でも…』
「ちょっとドス君!?」
視界の橋で叫びまくる白い道化師と男を交互に見る。
…不安しかないのだが!?不安まみれなんだけど!?なんか男の方の心配しちゃうんだけど!?
「大丈夫ですよ。ああ見えて仕事はちゃんとする人なので」
「ドス君〜〜〜〜〜〜〜!!」
普段のお仕事何してるの!?道化師さん!?仕事何!?警察官!?なわけなぇな何してんの!?
『ッ!?』
「では行きましょうか」
流れるように右手を、腰を引かれた。
この人は…!!!そういうところですよフェージャさん!!!
あとなんか凄いいい匂いする!!!って私は変態か!!!
落ち着け、普段の私よ戻ってこい。
ってかあれ?私普段から落ち着き無くない?私普段からこんな感じじゃない??どうしよう私普段から情緒不安定じゃん…。
『は、はい』
「ドスくーん!?頼ってくれるのは嬉しいんだけど私も水族館に行きたいなぁ!!」
「それはお一人でどうぞ」
フェージャさんは態とらしくにこりと笑いかけた。すると、ゴーゴリと呼ばれていた人が「それに」と言いながらなんだか真面目な顔をして此方を見た。
「ドス君が好きになった子がどんな子か気になるし」
「ならもう見たでしょう。態々僕達と一緒に行かなくてもいいじゃないですか。ということでぼくたちはもう行きますよ」
「薄情だなぁドス君!!!」
「では、行きましょうか」
『え、ええ…』
なんだか後ろ髪惹かれる思いでゴーゴリさんの方を見ていると、「今日はぼくとのデートなのですから、ぼくだけを見ててくださいよ」とフェージャさんの顔が視界いっぱいに広がる。
だから!!!そういうところ!!!!寿命が十年くらい縮んだよ!!!顔がきれい!!!
「おや、顔が赤くなってますが…どうかしましたか?」
拝啓鏡花ちゃん。私は今日無事に生きていけるのでしょうか。不安しかありません。
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天然石 - 更新してほしいです頑張ってください (5月14日 21時) (レス) id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
柏よもぎ(プロフ) - sareさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます…!そうやって褒めてくれる貴方様のほうが女神様ですわよ…(キュン(() (2022年10月27日 21時) (レス) id: c1bfd5c1d9 (このIDを非表示/違反報告)
sare(プロフ) - うわぁぁぁ、ありがとうございますほんとに。これでドスくんを補給できます()女神ですか?? (2022年10月19日 18時) (レス) id: b938a5d84e (このIDを非表示/違反報告)
柏よもぎ(プロフ) - さばさん» そう言っていただけてとても嬉しいです…!!!ありがとうございます! (2022年8月18日 9時) (レス) id: 9a8037afe6 (このIDを非表示/違反報告)
さば - あああああああああ!!やばい!ドス君尊い!作者様神では!??? (2022年8月18日 3時) (レス) @page10 id: f8d5076105 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柏よもぎ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/ichigo15ca1/
作成日時:2022年7月3日 20時