▽ ページ33
だがジンが成長するにつれ、彼女が求めていた我が子の面影はだんだんと薄れていく。
そのことに苛立ちを覚えた彼女は、ジンに対してキツく当たるようになった。
最初は理由を付けての価値観の押し付けのみだった。愛する我が子ならこっちを選ぶ、このように生きるはず、と。理由も“法律で決まっているから”など嘘でも正当であった為、ジンも無理矢理納得できた。
だが彼女の八つ当たりは日に日にエスカレートしていく。
意味もなく怒鳴りつけ拳を振るい、頰を打つ。煙草の火を身体に押し当て、食事も与えない。
そんな日が続いた。
ある日の夕暮れ時… 彼女はジンの命に手をかけた。いや、正確には“かけようとした”が妥当だろう。
成長するにつれ自分の理想像とかけ離れていくジンに、彼女は半ば失望していた。
自分の愛する我が子はこんな風ではない。あの子なら絶対にこうしていたはず、と。
彼女は思った。
もう一度あの子を消せば、またあの子がもどってくるはずだ、と。
そして彼女は実行した。
あの子が死んだ月日、時間、凶器、全てを再現して。
だが歳の割に賢かったジンは、彼女を返り討ちにした。
彼女の子供が死んだ月日、場所、凶器、全てを一致させて。
この時人生で初めて、ジンは人の命を奪った。
流血騒ぎで駆けつけた野次馬共もみんな、ジンが血と肉の塊にしてしまった。
側にあったお酒の空き瓶…“JIN”と書かれてあるそのフィルムを見たジンは、元々自分にあった名前──彼女の子供の名前から
ジンに苗字がない理由は前記の通りだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アイスノン - TENNさん» こちらは甘利と呼ばせて頂きます (2023年4月9日 16時) (
レス) id: d0c3f58eff (このIDを非表示/違反報告)
アイスノン - TENNさん» 了解です (2023年4月9日 16時) (レス) id: d0c3f58eff (このIDを非表示/違反報告)
TENN - アイスノンさん» 返信が遅くなり誠に申し訳御座いませんでした。同じく武田君に仕える者同士として関わり合えたらと考えております。幼少期から度々顔を合わせており幼馴染では有りませんが小さい頃からの旧知の仲の関係です。呼び方は「涼」で御願い致します。 (2023年4月4日 14時) (レス) id: 4719593f7c (このIDを非表示/違反報告)
アイスノン - TENNさん» 了解です。具体的にはどのような関係でしょうか (2023年3月31日 19時) (レス) id: baa4cd0d64 (このIDを非表示/違反報告)
TENN - 失礼致します。【われくろ】に【甘利虎泰】で参加していますTENNと申します。此の度はアイスノン様宅の涼ちゃんと甘利で友人関係を組んで頂きたく御連絡させて頂いた次第で御座います。御検討の程宜しく御願い致します。 (2023年3月31日 18時) (レス) id: 4719593f7c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
