侍の国で鬼達と暮らします(二)【鬼滅の刃】【銀魂】

百二十：思い出せ、お前の大切なものを ページ33

平賀「三郎、撃て」


新八「ぎんさっ」

『平気よ新八君』


新八「でも…！」


『三郎は、絶対に撃たない』



じーさん三郎に射撃命令を出し三郎も最初こそは、銀時に向けて構える。


銀時はそれに反応して木刀片手に三郎に突っ込んでいくが、三郎は構えるだけで撃つ気配がない。


だが銀時の方は止まるつもりはなく、結局斬られてそのまま仰向けに倒れた。


平賀はそんな三郎に悲痛な叫びを上げ駆け寄る。



平賀「三郎ォォ!!三郎ォ‼バカヤロー‼なんで、オメー撃たなかっ…｣


三郎「……オ…親父…」


平賀「！」


三郎「油マミレ…ナッテ…楽シソーニ…………カラクリ…テル、アンタ…好キダッタ…マルデ…ガキガ泥ダラケ…ハシャイ…デル…ヨウナ…アンタノ姿…」



今の今まで、何を言われても御意としか言わなかった『三郎』がまるで自分の息子であった『三郎』の様に、話し出す。


そのことに平賀は、驚きを隠せずにいるようだった。


三郎が人間のように話したことにか…


それとも、いつしか言われたことと同じことを言われたからなのか…


それは知らない。


そして、その言葉を最後に三郎はそれっきり動かなくなってしまった。



平賀「なんだってんだよ。どいつもこいつも、どうしろってんだ⁉一体俺にどーやって生きてけっていうんだよ！｣


銀時「さーな、長生きすりゃいいんじゃねーのか…」


『……帰るわよ、4人とも』



この騒ぎの中気ままに寝ている吉次郎を抱きながら、平賀に背を向けてその場を後にする。


声をかければ童磨はすっ飛んで来るように私の隣に来たし、無惨はやっとか…という感じで鼻を鳴らし、黒死牟はポーカーフェイスのまま刀を鞘に収めて歩いてきた。


ただ1人、猗窩座は少しの間だけ平賀を見てから踵を返し私の後について行こうとした時に平賀に呼び止められる。



平賀「なぁ、あんちゃん」


猗窩座「……」


平賀「おめぇなら…どうする？」


猗窩座「…………俺は俺、お前はお前だ。自分で考えろ」



突っぱねてるけど、すごく優しい言葉に私には聞こえた。

百二十一：吹っ切れた後はいい笑顔→←百十九：敵を討つことに気を取られ大切なことを忘れるな

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