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暗いトンネルを抜け、小さかった光がどんどん大きくなっていく
(眩しい……)
暗闇との差に思わず目を顰めたその場所は、想像よりも格段に大きく目を見開いた
光り輝く“1位”の席を中心に並べられた8つの椅子
その周りを取り囲むようにさらに90個の椅子
もうすでに何人かの練習生が席に着いており、練習生達の好奇心と期待の目が一斉に僕へと集まった感覚に襲われる
『アニョハセヨ…』
引き攣った笑顔で挨拶すれば、練習生の子達は全員立ち上がり丁寧に挨拶してくれた
その光景に思わず後退りしていまいそうになる足を頑張って持ち直し、ペコペコと挨拶をしながら空いている席へと向かっていく
(この辺でいいかな…)
端の方の椅子に腰をかけると前に座っていた子たちが一斉にバッ!と顔を向ける
「「アニョハセヨ!」」
『わっ……アニョハセヨ…!』
「日本人ですか?」
『はい』
「わ〜…綺麗な顔……入ってきた時釘付けになりました」
「スタイルもすごくいいし…足もすごく長い」
『そんな……皆さんの方が綺麗だしスタイルだって抜群じゃないですか』
優しく話しかけてきてくれたのは同じグローバル枠で出場する【ウィエファ】所属の練習生だった
「僕中国出身のジャンハオです。よろしくね」
「僕はオリー!」
「リッキー」
「ブライアンです」
『Aです。よろしくお願いします』
それぞれと握手を交わすと、下においでと誘われジャンハオさんの横へと座る
「Aはいくつなの?」
『今年で04なので…20になりました』
「お〜若いね〜じゃあ僕のがヒョンだね」
『ジャンハオさんよろしくお願いします』
「ヒョンでいいよ^ ^1人で心細いよね。困ったらなんでも言ってね」
ニコリと笑うハオヒョン
『ふふ、はい。困ったらすぐにハオヒョンの所に行きますね。ハオヒョンに何かあったらその時は僕が力になります。』
「おお〜…きようぉ……」
きゅっと僕を抱きしめるハオヒョン
僕の何かがハオヒョンに刺さったらしい
「ハオヒョンAが苦しそうだよ」
「いいの僕の可愛い子だから」
「僕のが年下だけど、僕もAって呼んでもいい?」
『もちろん。楽に呼んでオリー』
「やった!オリーもぎゅってしていい?」
『ふふ、どうぞ』
「へへへ」
高身長の2人から抱きしめられるなんとも言えない図に思わず笑みが溢れた
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作者名:えのもと | 作成日時:2023年3月19日 14時