夜空の星になれたなら【男主】 (ページ37)

今日:29 hit、昨日:40 hit、合計:206,784 hit

7-1 ページ37

SUNG HANBIN side

シグナルソングの発表から時間は経ち、練習生全員が一丸となって練習へ取り組んでいる真っ最中
汗だくになり、体力が底を尽きようとも踊ることをやめず、練習室の鏡が曇るほどに熱を帯びている練習生たち
斯くいう僕も目指すべき、いや必ずならなくてはいけない“センター”という場所を胸に日々練習に励んでいた

3スターにはまるで宝箱のようにダンスも歌の上手い練習生がたくさんいるせいか、毎日が刺激的なものだった
ダンスバトルではマシューに負けてしまったけど、これからもっと練習して、周りの良いところはもっと見習って、吸収して上へと登り詰めたい

そんな忙しない僕の日常にも最近
楽しみがひとつ増えた

『ハンビニヒョン〜』
「うん？あ、A^ ^」

それはAだ

『今時間大丈夫ですか？』
「もちろん。こっちおいで」

日本出身のAは、日本人とは思えないほど流暢な韓国語を話す。最初は本当に韓国人なのでは？と思うほどに
それでも、本人はまだまだ不安がある様で、シグナルソングの発表があったその日の夜に、歌詞の発音を直してほしいと尋ねてきたのが始まり

あの日のAは可愛かったㅎㅎㅎ
『Kの友達ヒョンしかいないから…』と悲しそうに笑うAに胸を打たれ、いつでも来ていいよと抱きしめるほどにㅎㅎㅎ
それをきっかけにAは定期的に僕を訪ね、発音をより完璧に近づけようと努力している

「今日はどこから行く？」
『昨日のここなんだけどね…』

『ヒョンの発音と声が好き』と話すAは本当に勤勉で、僕の発音を聞きながら自分で書いたハングル表記の歌詞カードに、日本語や英語でメモを取る(英語の方がパッと書きやすい時があるらしい)
書いては発音、発音しては修正、一つ一つを丁寧に消化していくAの姿に僕も感化される

「うん、すごくいいと思う。もともと韓国語の発音綺麗だから、もう立派な韓国人だねA」
『本当？ふふ、ヒョンのおかげだ』
「ははは、まあそれもあるけどねㅎㅎㅎ」
『ヒョンってばㅎㅎㅎ』

・