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ZHANG HAO side

全てのステージが終わり、スター獲得数の勝敗はKグループの圧勝だった
Gグループは強烈な印象を残すオールスターが多くいたイメージだったが、やはりノースターが少なく、平均してスターを獲得していたのはKグループだった

他の人よりも勝負にこだわっていた僕は、この結果に少しだけ落ち込んでしまった
勝てるだけの準備はして来たし、外国人でもkpopで生きていけることを自分で証明できると思っていたから


「惜しかったな〜」
「まあでも、やっぱり本国には勝てないか」
「外国人とは触れてきたものも、練習の環境も違うからねー…」
「それに言葉の壁があるって、やっぱり損だよ」
「しょうがないよな」


周りから聞こえる“諦め”とも“言い訳”とも取れる言葉の数々に目の前が真っ暗になっていく気持ちだった
……本当に、
大多数の人がしょうがないで済ませていいことなのだろうか
本当に僕らは勝てないのだろうか
諦めることが正解なのか


考えたって答えの出ない問いが
頭の中を埋め尽くす






「次は別室に移動になります」


スタッフの人が声をかけ、順番で場所を移動し始める



『ヒョン。………ハオヒョン、僕たちも行こう』
「………ん?あ…行こうか」



Aに声をかけられ、考え事をしていた僕は一瞬の間を置いて席を立ち上がった

過ぎてしまったことだ、考えたって仕方ない
それは分かってるんだけど…



「ハオヒョンどうしたんだろう?」
『……』





別室へと全員で歩いていると、僕の様子が変なことに気づいたのか、Aが僕の元へと駆け寄り手を握った
気付かぬうちに少し早足になってしまっていた僕はAに手を繋がれ軽く引っ張られることでそれに気が付いた。
Aに合わせて少しだけ歩くペースを落とし、ジッと僕を見つめるAの目を捉えた




『ヒョン、僕ら負けちゃったね』




…ドキリ、とした
もしかしたら…
もしかしたらAも、これはしょうがないことだと、諦めるしかないのだと僕を慰めるのかもしれないと思ったから

眉を顰めた僕にAは続けた




『ヒョンは結果に納得できた?』
「………」
『僕はね、

………………本当に悔しい。だって本気で勝てると思ってたから』





思わず目を見開いた
だってそう話すAの目があまりにも真剣だったから

心のどこかで「本国には勝てない」と思っている他の人とは違う
本当に勝つつもりで挑んでいたAだからこその表情


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作者名:えのもと | 作成日時:2023年3月19日 14時

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