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マシューが手振り身振りで嬉しそうに表現してる姿に、ステージで疲れた心が癒やされていった
「ヒョンもすごかったって誉めてたんだよ〜」
「うん、本当にすごかったよ。思わず僕も涙ぐんじゃって、途中から前のめりになって聞いてた!」
『わあそんな……ありがとうございますハンビニヒョン』
「歌はいつから習ってたの?」
『練習生になってからなので、5年前からです』
「わあ………やっぱり努力してきた人の歌声は一味違うんだね。本当に尊敬するよ」
「ヒョンだって歌上手じゃん〜」
「それを言うならマシューもでしょ〜?」
いつのまにか2人の雰囲気に変わっていた空気に思わず口角が上がる
2人は本当に尊敬し合ってて、仲がいいんだろうなあと、この短い時間でも読み取れるほどに穏やかな雰囲気が漂っていた
2人を見守っていた僕に気づいたハンビニヒョンが肩をぽんぽんたたく
「今度僕にも歌、教えてねA」
完璧だったヒョンのステージを思い出し、何を教えることがあるのだろう…苦笑いを浮かべる
あんなに踊りながら、あんなに歌えるなんて…
逆に僕が教えてほしいぐらいだ
『そんな……ヒョンに教えることなんてなにもないですよ』
「え〜?ㅎㅎㅎ」
『完璧すぎましたもん。僕の方がヒョンに教わることが多いです』
「はははっ可愛いㅎㅎㅎ
でも単純に僕がAともっと話したいってだけだから、その口実ってことにしておいて」
そう言って僕の頭を撫でるハンビニヒョン
少女漫画から出て来たかのようなセリフに思わずときめく胸に手を当てる
そんな僕の顔を肩を組んでいたケイタくんが鷲掴みにし、無理矢理横を向かせ目を合わせられる
「A、ハンビナに胸キュンしちゃったの?」
『……不本意ながら』
「なんだよ俺には胸キュンしないくせに……」
そう言い少し拗ね気味なケイタくんが何故かAEDをあてる真似をするから思わず笑ってしまった
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作者名:えのもと | 作成日時:2023年3月19日 14時