【A3!】誰かの1番になりたい。

▼ ページ35

リビングには静けさだけが残る。


夕飯作りの途中だった臣が手を止め、こちらを呆然と見つめている

ああ、こんな自分が嫌になる




「………あ…」

「いやごめん、なんでもない」



私は頭を抑え、冷静になる


何してるんだ私。
ここにはイケメンが20人くらいいて、私はそいつらをたぶらかそうとやって来たのに

何ヤケになっていづみに当たってるの、馬鹿みたい




「ごめん。気にしないで」

「え、あ…」



私はいつも通りの笑顔でそう言うと、頭を冷やすために外へ出ようとした


リビングの扉近くに学生組がいたのは知らなくて驚いたけど、もうなんでもいい。どうでもいい。



彼らの隣を通り過ぎようとして、パシッと腕を掴まれる


「……何？」

「お前…」



ポンコツ俳優が何か言おうとするけれど、私はそれを遮る



「分かってるよ、どうせ「そんな子供みたいな我儘で監督を振り回すな」とか言いたいんでしょ？自分でも分かってるから外に行くんじゃん」

「あっ」



掴まれた腕を振りほどき、外へ出る

その時水色髪のさんかく野郎にぶつかったけど、見向きもせずに歩いて行った。

▼→←▼

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す