君を待っていた【第五人格】

隠れて15秒 そして　白黒無常 ページ5

赤の教会を走り回りロッカーを探したせいか、ゼェゼェと息が切れ酸素を吸っては吐き出す行為を何度も繰り返す、ドクリと嫌な動きをした心臓に合わせて息を殺しロッカーの中でただハンターが過ぎ去るのを願いながら待つ。仲間はみんなもう飛ばされていて更に最悪なことに地下室は開いていない、瞬く間に今回のハンターである白黒無常が椅子で飛ばしたからだ。

ドクッドクッと心臓が悲鳴を大きく上げると、ロッカーから入ってきていた光が消えて暗闇が私を覆う、光が入ってきていた場所をみやれば此方を覗き込む白黒無常の黒い方がいた。
喉がひきつって短い悲鳴がでた、叫んでないあたりは上等だろう。
傘でトントンとノックされて黒無常が笑いを抑えたような声で

「なぁA大人しく出てきた方が身のためじゃねぇか？」

と言い放つ、出ようが出まいが目の前のハンターに吊られることは目に見えている、観念しては恐る恐るとロッカーをあけてゆっくりと足を地面につけた。ハンターを目の前にして私の体はガクガクと震えてしまう、それが黒無常の気を悪くしたのかチッと舌打ちをされ、思わず身を丸くしゃがみこみ腕で頭を守るようにした。すると大きなため息が聞こえては

「しゃがむな立て」

と、脅すような黒無常の声に息を飲みながら立ち上がると唐突に首根っこを掴まれて引きずられていく、新しい持ち方だなぁとぼんやり考えながら椅子で飛ばされる前の心の準備をしていたのだが、何故か暗号機の前にポイっと投げ出されたのだ。
暗号機と黒無常の顔を交互にみていると黒無常が顎でやれと指示をしてきたので、何回も調節を失敗しながら解読を進めることになった。

暗号機2台やり終わりハッチから逃がしてもらえると期待したがそれは無く3台目の暗号機の前に移動させられる、なんで言う言葉が頭を回るが答えは出るわけがなかった。



5台目の暗号機は教会内の暗号機、目の前の主祭壇が少し憎い。めそめそといつ攻撃されるか分からない恐怖に怯えながら解読を進めていると、唐突に隣で黒無常がどろりと白無常へと変わったことに驚きバチッまた調整に失敗をしてしまう

「大丈夫ですか？結構火花が舞ったようにみえましたが･･･」

大丈夫なわけが無い、と言ってやりたかったが喉がひっつき言えないから首を縦に振る、すると安心したかのように息を吐き出し薄く笑みを浮かべる白無常は本当に心の底から言ってるようだった



次に続きます

解読して240秒経過　白黒無常→←昼食を食べ始めた10分後　傭兵

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