君を待っていた【第五人格】

観察していた58秒間　黄衣の王 ページ36

いやまぁ内心では大丈夫だと思ってなかったよ、傭兵やオフェンスとかなら大丈夫なわけが無い！！って言えるけどハンターの黄衣の王の前でいうのは無理が強い

黄衣の王の目は謎の物体？の中でふよふよと浮いておりその目玉から感情を読み取るなんてことはそう簡単ではない、前の言葉からそこまで機嫌が良くは無いのだろうが…わからないなぁ

「…ゲーム放棄してて大丈夫なんですか？」

「大丈夫では無いだろうな、しかしお主のようなものがいる方がもっと大丈夫ではなかろう」

言葉の最後にため息のようなものが聞こえたのが少し腹が立つ、私だって好きで触手の上にいた訳では無い好きで上にいるのは占い師と祭司ぐらいだろう、そうだと言い切れる自信があるしあの二人は絶対に喜ぶ。

あぁしかし不思議な点が一つあったな
私の上空にカラスなど飛んでいなかった気がする






待機室の風景が今回の舞台である場所に変わり、数秒すれば音が鳴りゲームは始まりを迎えハンターとサバイバーの攻防が始まる。

暗号機を解読する前に今回のサバイバーをみつけなければなと足である触手を動かしては辺りを捜索すれば、警戒などせずに走るAが視界に入る…ゲームでなければ一緒に書物などを読みたいところだが今はゲームの最中、慈悲はないとAが行く道に触手を召喚すれば何かの悪戯かその触手の上座っている姿が見えた。

…いつも面白いと思っていたがこうも面白いと様子を見ていたくなる、戸惑っている様子なにか思い詰めている様子何か決心している様子、そして飛び降りようとするようす
神出鬼没を選んでいてよかったと心底思う日が来るとは…Aの足首を持ちながら小さく息をもらす。

「カラスが鳴いて場所を知らせてると思うたら何をしているのだA」

このまま頭から落ちていたと思うと…考えなしに飛び降りたであろうことに愚か者という言葉が沸き上がるなか怪我せぬように地にAを下ろせばあたふたと説明を始める、説明しなくとも全て知っているが言えば更に混乱を招くだろうと言葉をきく

「ふむ、それは申し訳ないことをした」

「偶然に偶然が重なっただけですから大丈夫です！」

本当に愚かだ

「危うく頭を地面にぶつける寸前だった人間が大丈夫だと口にするのではない…」

観察していた我も大丈夫と口にするAもただの愚か者だ

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