君を待っていた【第五人格】

そして隣り合って220秒後　写真家　続編 ページ19

とっくのとうに通電を知らせる音は鳴り響き終わっており、［私のことはいい］というメッセージの連打により仲間は脱出している、その際に仲間が本当にいいのかという感じで一人ずつ脱出していったのがなんとなく伝わってきた。皆はいなくなったがベッドに座っている私とその隣にいる写真家ジョゼフというのは先程から変わっていない、この状況を変えるにはどうしたらいい…

「あの…吊らなくていいんですか…」

「君を吊ることはしないよ、吊ったとしても私の負けは決まっているしね」

それとも吊られることを所望してるのかい？と問われたので思いっきり首を横に振るとふふっと笑われたので少しムッとしていると、不意に彼は立ち上がっては私を横抱きで持ち上げて歩き出す。ゲートに強制送還かと思えば行く先は椅子、椅子はダウンしていなければ役目を果たすことはないのになぜ椅子に行くのか？と疑問を持っていると、くるりと視界が周りすっとしたに下がるどうやら彼が椅子に座ったようだ。私は椅子に座った彼に膝の上で横抱きの体勢を絶賛継続中

「おや？この椅子は少し斜めに傾いているのか、傭兵がこの前に座り心地悪いって悪態を吐いてたのが理解できるよ」

身を少し丸めては私と目を合わせてくる、写真世界ではない彼の灰色の瞳に白黒で私が映り込む

「サバイバーたちが座れば荘園へ飛ばす椅子、ハンターが座ればただの斜めに傾いた椅子だけど、もしも今この椅子が起動すればどこに飛ぶのだろうか」

サバイバーのAがいるから一緒に荘園に戻るのだろうか、または予期しない異常を起こして

「二人でどこかに行ってしまうのだろうか、ハハッ…私はそれを、二人でどこか誰も知らない場所に行けることを望んで仕方がないよ」

枯れた笑い声に続けられた言葉は何か黒いドロドロしたものがある、ググっと目が近づく距離を詰めてくる彼に思わず

「私は望んでない」

そんな言葉が飛び出す、彼を否定する言葉をおもわずいってしまったがもう飛び出してしまったので後に引けない、彼の顔が離れて上を向くと途端にハハハハッと乾いた笑いが部屋に木霊する、異様な現状に何も言葉が出ないが笑い声は次第に小さくなりまた私と向かい合う

「そうだろうね、Aの中には私はいないから当たり前の答えだ、二人でどこかに行く前に君の中に私が意味がない…だから努力するさ、離れていても私を意識をしてもらえるように」

ね？っと圧されるが私はとぼけるような笑みを浮かべるしかなかった

ご機嫌な鼻歌を聴かされて253秒経過　リッパー→←写真を撮られた31秒後　写真家

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