君を待っていた【第五人格】

貸してもらった２週間後　占い師 ページ13

本を貸してもらった、それなりに分厚いがゲームがない時間や寝る前などの時間を使えば三日ほどで読み終えることのできる程良い分厚さ、読み終えたときに返せばよかったが色々後回ししすぎて借りてから2週間経過してしまっている。
借りてきたものは最後必ず返さなければならない一株の不安を抱えながら、借りていた本の持ち主である占い師イライの部屋の前に来た、来たのはいいが入る勇気がない。すぐ返すねといい返しに来たのは2週間たった今日、本当にどの面を下げて部屋に入り本を返せというのだ、自分を自分で恨むしかない。

「あれ？A部屋の前でどうしたんだい？」
…どうやら部屋には誰もいないようで廊下を歩いてきたイライに声をかけられた、運が悪いのか運がいいのかわからないがとりあえず本を返してはさっさと退散しよう。

「借りてた本を返しに来たのだけど…ごめん2週間も長々と借りて」

「ううん大丈夫だよ、それよりせっかくここまで来たのだから部屋に入らないかい？」

断ろうとするがイライは私の有無を聞かずに自室のドアを開けては私の腕を掴んで引っ張るので部屋に入れば、彼は少し嬉しそうにしてはお茶を入れてくると言い残し奥に行ってしまった、部屋でずっと立っていてもしょうがないので2脚ある椅子のうち片方に腰かける、奇麗に整頓された部屋を見回しているとイライが紅茶をテーブルに置き向かい側の椅子に座った。

「貸した本はどうだったかい」

「とても面白かったよ、流石イライが選んでくれた本だね」

それは良かったと微笑み紅茶を口にするので、私もつられて自分の前に置かれた紅茶を飲めば口の中に程よい渋みが広がる。美味しいなと思いながらカップをソーサーに戻してイライをみればカップを既においていてはこっちを見てにこにことしてる、よく微笑んでいるなと思いながらも借りてた本を渡すとその本を持ち椅子から立ち上がっては本棚の方へ行く、部屋が奇麗なら本棚も奇麗だなと眺めていれば借りていた本を本棚に戻しては一冊を取り出してこちらに持ってきた

「あの本が面白いと思えたならこの本もおすすめだよ」

にっこりと渡してきたので思わず受け取ってしまった、本をみればこれもまたそれなりの分厚い本

「本を返しにくるのはいつでもいいから」

これまたにっこりというので、ありがとうという言葉を差し出すしかない

この日を境に私は月に2，3回程のペースでイライの部屋に来ては新しい本わたされ紅茶をご馳走になるになった

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