君を待っていた【第五人格】

通電して５秒後　写真家 ページ2

大きな音が通電したことを知らせてくれる、なんとかみんなが飛ばないうちに通電ができたのが今さっき、今回のハンターである写真家ジョゼフとご対面したのが今である、いつも微笑んでるくらいにしか見えない口がにんまりとあがり、青い目ではなく赤く光る目を細めるジョゼフに対して冷たい何かが走る。だってこんな表情を見せられたのは今回が初めてなのだから

みんなに聞こえるように［はやく逃げて！］と念じれば、みんなに無事に届いたらしく、ゲートから脱出したという通知音が頭に響く。三人逃げられたなら勝ち確定、私が逃げられなくても勝ちは確定したのだ。

負けが確定しても写真家の笑顔が消えることはない、反対に増したようにも見えるのだが。




逃げる意気込みしたらすぐにダウンさせられてしまった、勝ちが確定しているから気が抜けていたのだろう、このまま投降すればいいのだが変な意地が働いてしまい投降せずにいると、不思議なことに風船で吊られる気配がないことに気づく。痛みに喘ぎながらこちらを上から見下ろしているであろう写真家をみれば、やはりにんまりと笑ってる写真家がそこにいる、出血死待ちか？そんなことをしなくても椅子に縛ればこのゲームは終わりを告げるのに、彼も変な意地が働いてるのかもしれない
目がガッツリと合ってる中、写真家のにんまりと上がっていた口が開くのが見えた

「あぁ吊らないからそんなに睨まないでほしいな、私はただ君といたいだけなのだから」

何を言い出すと思ったらよくわからないことをいいだした、ハンターとサバイバーは敵対関係というのは誰もが知ってる常識、それなのになぜ今回は馴れ合いをしに来ているのだ？その理由がわからないまま私は血を少しずつ流していくので、周りがすこしずつ赤く染まっていく

「このままだと血が流れすぎて死んでしまうかもね」

そんなのは自分が身をもって知っている、体に寒気が走りがたがたと体が震えだす
この光景を見て笑ってるのかと思えば写真家は面白くなさそうな顔をして、自分の髪をまとめていたリボンをほどけばしゃがみこみ気休め程度にしかならない傷の処置をし始めた、オレンジ色のリボンはすぐに赤色に染まり、体に浮遊感が走る

「一緒にいたいけどこのままじゃ死んで元の子もない」

紐を切られ下に落とされるとそのままハッチに落ちていく
ハッチに落ちながら私は写真家の満足そうな顔を眺めていた

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