悲しみを飲み込んで笑う ページ21
俺は朝から外をほっつき歩いていた。英二は怪我人に食わせるオカユを作ってたしアッシュは寝てるし取り敢えず暇つぶしだ。それと今の現状を知りたいってものあった。
『月龍が今目をつけてるのはシン若しくはアッシュ…』
憶測に過ぎないがゴルツィネからブランカが手を引いたなら月龍が雇っている可能性が高い。実際パーティーの時ブランカは月龍の近くにいた。
『…？』
妙な視線を感じて振り返るがそこには誰もいない。気のせいでは無いハズだが突っ立ったままも逆に怪しいのでそのまま歩く。
この前狩り場に絞りこんだ場所までやって来た。人気が多いという訳でもなく、強いて言うならば病院という公共施設が近くにある位だ。こういうのがあると少々厄介だ。
「失礼、よろしいですか？」
『…ああ、何だ？』
白人のムッツリとした表情の男が話し掛けてきた。しっかりとしたガタイにスーツを着込んでいてこんな場所だとちょっと浮いている様にも見えた。
「ハーレム・チキンはどこか御存知で？」
『あー…場所は知らねえな？何だってそんな所へ？』
「いいえ、特にそれといった事は」
『へえ？じゃあ俺に話し掛けたのもここにいたのも偶然かい？』
睨み付けると余裕綽々といった表情で見つめ返してくる。その傲慢ちきな態度に更なる怒りを覚えながら俺は挑発的に笑った。こいつは黒だ、それも俺だけでなくアッシュ達にも影響を及ぼすつもりだ。
『さっき俺をつけてたのはお前だな』
「何の事やら」
『ハッ白々しい。何者か答える気が無いならとっとと俺の前から消えな』
口の端をにっとあげて笑ったそいつは何の迷いもなく踵を返し俺に背を向け去っていった。
ハーレム・チキンの場所だって知ってるハズだ。俺に話し掛ける口実に過ぎない。だがこれはマズいな、ケインら黒人その他諸々が俺らに手を貸してるということはあいつに筒抜けているって事だ。
『だがきっとパイプラインがあるハズだ…』
あいつが誰だか分からないがあいつより上の立場にあれる人物。容易に想像出来るのはゴルツィネだが…どういう目的で俺らに接近してるのか分からないから要注意だ。
何だか嫌な予感がしてほっつき歩いていた足を止めて溜り場へと向かった。
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ゆうな(プロフ) - 葵さん» わ〜ほんとですか！？嬉しいです！！そうなんですよ〜！色々突っ込んでたら５作品目になってしまいました笑ありがとうございます！頑張りますね！ (2019年1月4日 18時) (
レス) id: b1153871a1 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 全シリーズ読ませてもらってます！もう5作品目ですね！！いつも楽しみに読んです！これからも応援してます！頑張ってください！ (2019年1月4日 15時) (レス) id: 0416d8cced (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうな | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org
作成日時：2018年12月31日 22時
