赤を浴びて黒を吐く ページ12
やっとの事で外に出ると真っ暗だった。ぜえぜえいいながらマンホールの中から這い出すのを手伝い少しの間壁に凭れ掛かり休憩をする。今寝転がると寝てしまいそうだ。
『…そろそろ行くか』
「ああ…明け方までにつくといいぜ……こんなぷんぷん匂ってたら嫌でも目立つ…」
『じゃあ頑張ってくれよ…』
もう携帯も手榴弾も使い物にならなさそうだなと倒れてしまわない様に他事を考えながら少し早歩きをしながら路地へふらりと入り込んだ。街なかは少しざわめいててやはり何かあったのだろうなと改めて思う。みんな無事だと良いが…
「俺の子分らは無事かな…」
『…分からない。月龍の下っ端に捕まったんだろ？』
「ああ…ラオが突き落としてくれたから俺は助かったけど…」
『子分の心配も大事だがまずは自分の心配してくれよ…お前フラフラじゃねえか』
担ぐのは嫌だぜ。
一時間も歩くか歩かないかする内にネズミの廊下の近くに来ていたのでほっと一安心した。そのせいか疲れと吐き気が一気に押し寄せ一瞬大きくフラつくが壁に体重を乗せなんとか止まる。
「…はあ…はあ……」
ちらと横を見るとシンはもう限界が近いように思われた。仕方なく肩に腕を回し目前に迫る目的地へと足を動かした。その頃には朝日が少し顔を覗かせていた。
『…いないな』
「……じゃああそこだ…」
ここに来たという形跡は何となく残っていた。
シンの進行方向に合わせて体重を傾けゆっくりと歩いていく。
どのくらい歩いただろうかもうすっかり夜は明けてしまい柔らかな朝日が地面を照らしていた。それと同時に角を曲がった時シンが気を失い倒れてしまい俺もそれにつられて倒れる。すると頭上と正面から俺とシンの名を呼ぶ声がしたがそれを気にするより吐き気の方が勝ってしまい直ぐ様シンから離れて嘔吐する。
「狼っ！シン！」
「大丈夫か！？」
駆け寄ってきたケインの子分らに支えられて建物の中へと連れてってもらう途中で意識を落とした。目を閉じる瞬間、心配そうな顔をして階段を駆け降りて来るアッシュと英二が見えたような気がした。
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ゆうな(プロフ) - 葵さん» わ〜ほんとですか！？嬉しいです！！そうなんですよ〜！色々突っ込んでたら５作品目になってしまいました笑ありがとうございます！頑張りますね！ (2019年1月4日 18時) (
レス) id: b1153871a1 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 全シリーズ読ませてもらってます！もう5作品目ですね！！いつも楽しみに読んです！これからも応援してます！頑張ってください！ (2019年1月4日 15時) (レス) id: 0416d8cced (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうな | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org
作成日時：2018年12月31日 22時
