【wrwrd!】呼び出し代行 2【zm】 (ページ17)

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それからの時間はあっという間だった。

色んな店を回って美味いものを食って食わせて、バスで観光地を巡って自然をたっぷり肌で感じて、土産物屋もたくさん見て歩いた。

そんなこんなで、旅館に着く頃には2人とももうヘトヘト。部屋に入るや否や、シャオロンはゴロンと寝転がった。

「はあー、疲れたー！」

「っひひ、シャオロンめっちゃ食っとったな」

「誰のせいやと思ってんねん」

シャオロンを跨いで越え、奥の部屋に荷物を置く。大きな窓から外を見ると、はらはらと雪が降っているのが見えた。

「これ、積もるんかな」

「お、明日雪合戦するか？」

「お前絶対石詰めるやん、やらへんぞ」

他愛もない話で笑うと、シャオロンは風呂に入ると言って部屋を出た。俺もシャオロンが帰ってきたら入ろうと、鞄から服を取り出す。

「……あ」

カシャン、と控えめに音を立てて落ちた小さな袋を手に取る。

今朝鞄の奥にしまった、ピアスの入った袋。会えたらすぐに渡したい、その一心で持ち歩いてはいるが、もちろん会えたことはないし、ずっと持ち歩くにも限界があった。

耳に手をやり、ピアスを弄る。

「…帰ったら、新しくピアス買うか」

決意を自分に言い聞かせるように口に出した。

小さな、それでもしっかりと重みのある袋をまたしまって、目を閉じた。