【赤羽業】変人ストーカー彼女×毒舌不良赤髪

ポジティブ3 ページ5

*




テンテンテン、無言が室内を充満する。ちらりと眼前にいる男性 烏間さんの様子を窺えば烏間さんはハッとした様子で「待て、」と。

部下と思われる私を拉致った女性に指示してこれまた茶封筒を貰って中から書類を取り出す。
　それを私の前に差し出したら。



「これと同じ書類が君の家に輸送された筈だ。見覚えは?」



烏間さんから差し出された1枚の無駄に立派な紙。
そこには【綾瀬 A 本日を以て自宅謹慎及び3月にて───】と紛れもなく私の名前が書いてあって、頭上に大量のクエスチョンマークを浮かべた。

目を凝らし何度も読み返してみるもやはりと言うか何と言うか……、全く以て見に覚えがなく、こんなの届いたっけと只首を傾げるだけ。
　……そういえばさっき烏間さんが輸送とか言って…………。



『あっ！ああ〜〜〜！！！』



ポンッと手を打って思い出す。あった、あった！！そういえば停学になって程なくにお母さんが「中学から何か届いたけど資源回収に出しちゃうわね」とか何とか言って封も開けず資源回収に出してた気がする！！うんっ！！

つまり悪いのはお母さんだと自己解決し、その事を烏間さんに説明。
すると烏間さんは深々と溜息を吐き、「いや、すまない。これに目を通してくれ」ともう1枚紙を差し出して来た。


その紙は私に就いて纏めた、表すとしたら凄い細かい履歴書みたいな紙。
私でさえ憶えてない事も書いて記載されていてこれを作った奴キモッ……!!って心の中でドン引きしたのは秘密だ。



「この書類に不備は?」

『え?!え〜〜〜っと……、……多分ないぃ……です』



ザッと目を通し、生年月日、名前、性別、住所、電話番号等と言った基本的なとこだけ確認。
　それ以外も目を通さなきゃいけないんだろうけど私はそんな事細かな事迄憶えてない。

ズコォォォッと緊張の余り提供されたオレンジティーを飲み干す。
　スッと静かに何かを差し出され目を向ければ緑色のナイフと銃で、思わず吹き出しそうになって噎せた。



『っ……っえ、こ、れは……?』

「ターゲット専用のゴムナイフとエアガンだ。君にはこれを使って暗殺してもらいたい」

『え、あの……、一応訊きますけど……本気で言ってます?何かのドッキリとかではなく??』

「あぁ、いきなりで呑み込めないと思うが今話した事は全て真実だ。因みに口外等した場合は記憶消去手術を行わせてもらう為呉々も口外しない、不審に思われる言動をしない様に」

『マジですか』





＿＿＿*

ポジティブ4→←ポジティブ2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す