【赤羽業】変人ストーカー彼女×毒舌不良赤髪

ポジティブ9 ページ11

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サファイアの様な深く蒼い瞳に見るからに艶が良いナスタチウム色の髪。
軽快な性格に明るい声。笑った時微かに見える八重歯。
普通よりも断然可愛く、その容姿と性格に惹かれた野郎は数知れなくて。

そんな彼女から、好きだと、付き合ってほしいと好意を伝えられ続けているのはE組になっても変わらなく、また授業 休み時間関係なく話し掛けて来るんだろう。
話し掛けられたらなんて返そうか。それとも敢えて無視して慌てふためく彼女の反応を愉しむか。

……なーんて考えてたのが馬鹿馬鹿しくなる程に話し掛けて来るどころか一切此方を見もしない彼女。
それはAがE組に来てから昼休みになる迄一切変わらなくて。彼女の周りに人集りができる。



「Aアータどうしたのよ!?」

「そうだよA〜！前はカルマ君カルマ君〜って凄かったのに」

「あ〜れはある意味気持ち悪かったな〜」

「そうね、追い払われて突き放されても粘着して行く様はある意味恐怖を誘ったわ」



集まるメンツは違えど彼女が人に囲まれるのは俺が停学になる前と変わってなくて。皆が嬉々として揶揄ったとしてもAが反応する事がなくて前原が不安げにAの名前を呼んだ。ポソリ 彼女が声を零す。
　……俺の事は避ける癖に前原には反応するんだ？まぁ……元から仲良さそうだったし別にどうでも良いけど。

沸々と良く分からない苛立ちが募りスマホを弄る指先に力が籠る。
煮オレを飲みながらテキトーにデジタル漫画を読んでれば不意に大音量で耳に入ってきた『だってカルマ君が格好良すぎるんだもん……！！』なんて声。
スマホをいじる手が止まり、……なんとなく、本当になんとなく。煮オレの甘味が増した気がした。

　そんな事大声で言ってくるなんて誰も思わないじゃん……。

視界の端に映ったAは心配気な表情から心底安堵した様な表情へ変わりまた笑顔で皆と話していて。
　笑って、拗ねて、また笑って。
コロコロと表情を変えて揶揄い揶揄われる彼女の姿に自然と目を奪われる。

　知り合った頃から彼女は自然と人を惹き付ける魅力があったけど……なんだか今は他の人と話してほしくなくて。他の人とは話すのに俺とは話してくれない事実に胸の内に靄がかかる感覚。

　不意に前原が「お前は相変わらずだな〜」なんて笑いながらAの肩に手を置いた。良く分からない靄が広がって、それを無視するかの様にAから目を離しまたスマホをいじる

　なんか……ムカつく……。





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