【wrwrd】推しへの愛がダダ漏れ中【shp】 (ページ25)

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＠Peace_wrwrd (25) ページ25

shp「Aさん。手、出してください」

俺がそう言うと、Aさんは不思議そうに右手を出した。

俺はその右手を握る。
小さくてあったかくて、守ってあげたくなるような手だった。

俺がAさんの右手を握ると、Aさんは驚き、右手を引っ込めようとした。

だが俺はその右手を引っ張り、言った。

shp「目、つぶってください」

意外にも、Aさんはすんなりと目を閉じた。

shp「俺、ショッピに声似てるんで、目を閉じればショッピと手を繋いでる感じあるでしょ」

俺がそう言うと、Aさんの顔はだんだん赤くなった。

ーー俺は一体何しとるんや。

内心そう思った。
だが俺はAさんにしか聞こえないくらいの静かな声で呟いた。

shp「我々だを、ショッピを好きになってくれてありがとうございます」

心から出た言葉だった。

でも、だけど、なんか違う。

Aさんはショッピである俺の事が好きなのであって、俺自身、紫原雄大の事は好きでは無いのだ。

ショッピじゃない俺には、価値など無いのかもしれない。

Aさんが目を開けた。

今の俺の顔、酷い顔しとるんやろな。

shp「少しは、ショッピっぽかったっすか？」

『……はい』

Aさんは未だに顔が赤いまま、静かに返事をした。

この表情がショッピじゃなく、俺自身に向けられてたら、どれだけ幸せだろうか。そう思った。

shp「これだけで恥ずかしがってたら、まだまだ子供っすよ」

俺はそう煽った。
少しでもショッピだって思って貰えるように。

shp「じゃー子供は早く寝てください」

軽く手を振り、歩き出す。
今、Aさんはどんな表情をしてるんだろうか。

怒ってるんかな。
まだ顔が赤いんかな。
俺がショッピだって気づくんかな。

shp「俺の事、好きにならんかな……」

そんな小さなつぶやきは、夜のしめった空気の中にとけていった。