大事なひと。《 JW赤 × JW緑 》

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「......行っちゃ、嫌やぁ！ううっ...」


『ごめんな？ほんまっ......俺やって、ともひろのこと置いて行きとうない。ずっと俺が守ってあげたかってん。』


「なら、行かんで！ずっと居ってよ...ｸﾞｽｯ......やっと、お兄ちゃんと会えたのに......」


『そういう訳にも行かんねん。ごめんなぁ...許してな？』


「嫌やっ、絶対許さへんもん！俺、あっくんになんも返せてへんもん......ずっと、守ってもらって、優しくしてもらって、ばっかりやん...」






だんだんと弱々しくなっていく神山くんを見ていて、正直胸が張り裂けそうやった。

すると、照史はそっと腕を背中と頭に回す。ぽんぽんって優しく撫でながら『そんなことないで』と笑う。




『俺な、ともひろからたくさん元気もらった。

ともひろが笑うだけで楽しいし、嬉しいし、幸せやった。だからな？これからも、いっぱいいっぱい、笑って欲しいねん』


「無理やっ......あっくん居らんと、辛いねん」


『大丈夫やで？やって......ともひろには、しげが居るやん』






神山くんを抱きしめながら、目線だけ俺の方に移す。

照史から『せやんな？』って同意を求められてる気がして俺は力強く頷いた。





『しげのこと見とるともひろ、幸せそうやったで？

しげと話しとる時のともひろ、めっちゃ可愛かったで？

大丈夫や。しげは俺以上にともひろの傍に居ってくれるやろうし、笑かしてくれるやろうし、守ってくれる。なんせ、俺の自慢の親友なんやで？......せやから、ともひろ』






おでこにちゅっ...と短いリップ音を立ててから、照史が笑った。


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