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電車を降りてまたも全力で走る。
元々汗っかきの俺はもう既に前髪は張り付くしTシャツも汗ばんでしまってせっかく考えたコーデも台無しや。けど、そんなん考えとる暇なんかなかってん。
てか、なんで今までずっと黙っとったんや...!
照史への怒りと、刻刻と過ぎる時間への焦りと、呑気やった自分への苛立ちと、ありとあらゆる感情がもうごっちゃになって。
我武者羅に走り続け辿り着いた待ち合わせ場所に、急いで来てくれたんであろう神山くんが向こうから走ってくるんが見えた。
「ごめん!急に時間早めてもろうて...」
「ううんっ、思ったより仕事早く上がらせてもらえたから大丈夫やけど...どないしたん?」
「神山くん、もしかして、お兄ちゃんおらん?」
「......っ、えっ...なんで、」
呼吸を整えながら、神山くんに渡した写真はさっき照史の家からもろうてきたもんで。
大きく見開かれた瞳から、俺の考えはそうだったと知らされた。
幼い照史の隣に映る笑顔が可愛らしい黒髪の男の子。両方に笑窪ができるこの笑顔が昔から変わらんとは思わんかったけど、俺はこの子をよお知っとる。
「......これ、神山くんなんやろ?」
「なんで......確かに俺やけど...」
「照史の家に行って、これ見た瞬間に思ったことあったから話聞いてん。そしたら、照史がずっと会いたがっとった弟なんやって。」
「...う、嘘やん...あっくん、そんなこと、一言も......」
動揺している神山くん。当たり前や。
今までずっと傍に居って、お兄ちゃんみたいって慕ってた人が本間の兄ちゃんやったなんて、俺かて信じられんかったもん。
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翠恋(プロフ) - 笙緒さん» 笙緒さま、コメントありがとうございます!そう言って頂けてとっても嬉しいです!ありがとうございました、また違う作品でお会い出来るように頑張りますのでどうぞよろしくお願いします! (2019年7月21日 14時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
笙緒(プロフ) - 完結おめでとうございます!とっても素敵な作品をありがとうございました。もう最後は泣いて泣いて(笑)すごく感動しました!どうかお幸せに...と思いつつホッコリとした気持ちになりました。また素敵な作品をお願いします! (2019年7月21日 13時) (レス) id: 2935873422 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - ? は ま たさん» ? は ま たさま、コメントありがとうございます!拙い文章でしたが、お届け出来たら嬉しいです!励みになります!これこらも頑張って作品をお届けしていきます、どうぞよろしくお願いします! (2019年7月21日 9時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - 樹れれ*さん» 樹れれ*さま、ついに完結しました!ありがとうございます!これからもいろんなCPでの作品をお届け出来たらと思います、これからもどうぞよろしくお願いします! (2019年7月21日 9時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - 莉子さん» 莉子さま、コメントありがとうございます!拙い文書でイメージが伝わるか不安もありましたが、無事に届いたようで嬉しいです!ありがとうございます!これからも新しい作品を作れたらと思いますのでどうぞよろしくお願いします! (2019年7月21日 9時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2019年6月23日 22時