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思ったよりみんなが「似合うね」「可愛いよ」と褒めてくれて嬉しかったけど
問題は、衣装を着てから発覚した
「けいと、いい?わん、つー...ぃっ?!」
「うわっ!ご、ごめん!いのちゃん!」
慣れないヒール、慣れないドレス
今までなんとかリズムを取れていたダンスシーンが、全く踊れなくなっていた
ていうか、立っているのもやっとなくらいだから、いのちゃんの脚を何度も踏んでしまう始末
はぁ...情けない
「けいとくん、ちょっと休憩しよっか?」
「はい...」
「よしっ、みんな、休憩ー!」
申し訳なさから、1人体育館の外へと出る
外の空気を吸って、気持ちを落ち着かせようと思ったんだ
...よかった、今日はどこも部活が休みの日で
「けーいと、お疲れ様っ」
「...いのちゃん」
「えへへ、やっぱりけいとにシンデレラやらせて良かった」
「ごめんね...練習、中断になっちゃって」
「気にすんなよ、あと2日あるし大丈夫だよ」
そう言って笑ういのちゃんに対して、俺は不安ばかり募ってますます落ち込んでしまう
隣に座ったいのちゃんが、優しく頭をぽんぽんしてくれた
「...俺、大丈夫かな」
「なんで?」
「ようやく形になってきたと思ったのに...やっぱり、下手で...」
「...あのさ、圭人」
ん?と顔をあげたら、いつになく優しさいっぱいの表情でおでこにキスをしたいのちゃんは、衣装のせいもあってかかっこよさが倍増していて勝手に心臓がどきどきする
そのまま顔が近づいてきて、おでことおでこがくっついた
「楽しいだけじゃ、だめ?」
「え?」
「上手い下手関係なしに...楽しめればいいって、俺は思ってんだけど」
「でも、出来てなかったら...」
「心配性だなぁ...あのね、」
いのちゃんは両手で俺の頬を優しく包む
いつだって、俺はこの優しさに救われてきた
この優しさに触れるたびに好きが募って募って募って、やっぱり大好きだって、思い知らされるの
「俺はね、圭人がいるから楽しいの」
そう言ってくれるあなたは、やっぱり俺の王子様だ
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あかり(プロフ) - 翠恋さん» すごく嬉しいです!!!楽しみにしてます^^ (2018年1月22日 7時) (レス) id: 0083b728f1 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - けーた。さん» けーた。さま、コメントありがとうございます!長い間応援して頂けましたこと深く感謝致します。またこんないのけとちゃんたちが書けたらいいな、と思ってます。楽しんで頂けたならなによりです。これからもどうぞよろしくお願いします (2018年1月22日 6時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - あかりさん» あかりさま、コメントありがとうございます。また、長い間応援して頂けましたこと、心より感謝致します。番外編、ぜひ書きたいです!←他の作品が落ち着いた頃新作として出させて頂きたいと思いますのでその時までよろしくお願いします! (2018年1月22日 6時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - 完結おめでとうございます。…とは言いつつやはり少し寂しさも感じます;翠恋さんのお話でいのけと好きになった私なのでこちらのお話もとても楽しませて頂きました(*^^*)長い間の連載お疲れさまでした。これからも色々なお話を読ませて頂けるのを楽しみにしています* (2018年1月21日 16時) (レス) id: 5c1dcb4cdc (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 完結してしまったぁぁぁぁぁ(泣)連載はじめの頃から読んでて、とても大好きなお話でした。感動のラストで、もうこのお話が読めなくなると思うと悲しいです…番外編で、大学生活とか、やってるふたりとか(言い方)、魅せてもらえたら嬉しいです (2018年1月20日 23時) (レス) id: 0083b728f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2016年12月2日 23時