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目の前には、小さな小さな教会。そしてその前にちぃちゃんややまちゃん、やぶ先輩、ひかる先輩、ゆうと先輩にだいちゃんとゆうや先輩まで。
みんなみんな、拍手しながら俺といのちゃんを迎えてくれて。
「けいと、おめでとう!」
「いのちゃん?けいと泣かせたら絶対許さねぇ」
「幸せになれよー!」
揃いも揃ってそんな嬉しいこと言わないでよ。
目の前が滲んできて、もうすぐにでも零れてしまいそうな涙を堪えていたら、いのちゃんが俺の両手を掴む。
優しく微笑む姿はまさしく王子様。
「__________......やっと、このときがきた」
「いのちゃん......」
「みんなにはお世話になったからさ。ちゃんと最後まで見てほしいってお願いしたの」
「俺、なんにも用意してなくてっ...あの、えと」
「いいの。もうね、今までたくさんもらってるから。それでね、けいと」
あぁ、もう。まだ泣いちゃいけないのに。
いのちゃんがポケットから取り出したものが見えた瞬間に、我慢できなくなっちゃって。
ぽろぽろ泣き出した俺を見たいのちゃんがまた笑う。
「__________.........受け取って、くれる?」
返事はもちろん、ひとつ。
頷いた俺を見たいのちゃん。みんなが祝福してくれる中で薬指に指輪を......って、あれ.........?
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「__________......は、はいらないっ...?!」
「嘘だろ?!なんで?!」
「......伊野尾らしいなぁ」
「涼介だったら絶対しないミスだね」
「けいと可哀想」
「じゃあ俺まだ間に合うかな?!」
「ゆうと先輩は黙って写真撮っててください!」
「いのちゃん、予約延長?」
「いいんじゃない?伊野尾くんとけいとはこうじゃなきゃ」
「......えへ、ごめんね?けいと」
「ばか」って言って笑ってら、途端に広がり出す笑い声に、今日も幸せだと感じるよ。
きっと、いのちゃんとならどこまでも幸せになれる予感がするから。
「一生、幸せにしてね!」
(End.)
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あかり(プロフ) - 翠恋さん» すごく嬉しいです!!!楽しみにしてます^^ (2018年1月22日 7時) (レス) id: 0083b728f1 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - けーた。さん» けーた。さま、コメントありがとうございます!長い間応援して頂けましたこと深く感謝致します。またこんないのけとちゃんたちが書けたらいいな、と思ってます。楽しんで頂けたならなによりです。これからもどうぞよろしくお願いします (2018年1月22日 6時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - あかりさん» あかりさま、コメントありがとうございます。また、長い間応援して頂けましたこと、心より感謝致します。番外編、ぜひ書きたいです!←他の作品が落ち着いた頃新作として出させて頂きたいと思いますのでその時までよろしくお願いします! (2018年1月22日 6時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - 完結おめでとうございます。…とは言いつつやはり少し寂しさも感じます;翠恋さんのお話でいのけと好きになった私なのでこちらのお話もとても楽しませて頂きました(*^^*)長い間の連載お疲れさまでした。これからも色々なお話を読ませて頂けるのを楽しみにしています* (2018年1月21日 16時) (レス) id: 5c1dcb4cdc (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 完結してしまったぁぁぁぁぁ(泣)連載はじめの頃から読んでて、とても大好きなお話でした。感動のラストで、もうこのお話が読めなくなると思うと悲しいです…番外編で、大学生活とか、やってるふたりとか(言い方)、魅せてもらえたら嬉しいです (2018年1月20日 23時) (レス) id: 0083b728f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2016年12月2日 23時