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サプライズは終わらない ページ34

寮へと帰って、寮の食堂で夕飯を食べて、寮のおばちゃんからも「おめでとう」と言ってもらえサービスや、とケーキをもらった。

お腹も心も満腹してきた中、どこか物足りないのはきっと君のせいだってことは分かってるけど

ワガママなんて言えない。言っちゃいけない。

だっていのちゃんは、新しい生活をスタートしたばかりなんだから。




「......あ、そういえばけいと」

「ん?」

「いのちゃんからこれ預かったから後で電話しておきなよー?」

「え?あっ...ありがと」






ちねんから受け取ったのはバースデーカード。

いのちゃんから...?と疑問に思いながら開いてみると、なんとオルゴールつきのオシャレなやつだった。

何度も流れるその心地良いメロディに耳を傾けながら、ちねんに言われた通り電話を鳴らすとワンコールで出るところさすがだなって思う。




『もしもし、けいとー?』


「もしもし?あの......メッセージカード、ありがとう」


『本当は直接顔見て言いたかったんだけどさー』


「ううん!嬉しいよ。ありがとう」


『へへ、喜んでくれたなら、良かった』


「うん......ん?あれ?」





不意に気がついた違和感。それは、実は電話をかけた時からちょっと不思議に思っていたことでもあったんだけど気のせいかとも思っていて。

だけど、やっぱり気のせいなんかじゃなかった。






「なんで......オルゴールの音、してんの?」


『あれぇ?聞こえてたぁ?』






呑気に間延びして聞こえてくる声も、そういえばなんだか近くに感じて。

振り向こうとする前に、後ろから抱きしめられた。

知ってる、この優しいぬくもりを。





「......来てくれたんだ?」


「そりゃ、王子様はいつでもお姫様のところへと駆けつけますから」


「バイトは?」


「ちゃんと行ってきたよ?...今日は初日だから、挨拶だけでいいって言ってくれたの」


「そうなんだ?」


「寂しくさせたくなくて日中はみんなに任せてあったけど......やっぱり、俺が祝ってあげたくて」








その気持ちが、なによりも嬉しいんだよ?


いのちゃんは、それを知らないでしょ?

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あかり(プロフ) - 翠恋さん» すごく嬉しいです!!!楽しみにしてます^^ (2018年1月22日 7時) (レス) id: 0083b728f1 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - けーた。さん» けーた。さま、コメントありがとうございます!長い間応援して頂けましたこと深く感謝致します。またこんないのけとちゃんたちが書けたらいいな、と思ってます。楽しんで頂けたならなによりです。これからもどうぞよろしくお願いします (2018年1月22日 6時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - あかりさん» あかりさま、コメントありがとうございます。また、長い間応援して頂けましたこと、心より感謝致します。番外編、ぜひ書きたいです!←他の作品が落ち着いた頃新作として出させて頂きたいと思いますのでその時までよろしくお願いします! (2018年1月22日 6時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - 完結おめでとうございます。…とは言いつつやはり少し寂しさも感じます;翠恋さんのお話でいのけと好きになった私なのでこちらのお話もとても楽しませて頂きました(*^^*)長い間の連載お疲れさまでした。これからも色々なお話を読ませて頂けるのを楽しみにしています* (2018年1月21日 16時) (レス) id: 5c1dcb4cdc (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 完結してしまったぁぁぁぁぁ(泣)連載はじめの頃から読んでて、とても大好きなお話でした。感動のラストで、もうこのお話が読めなくなると思うと悲しいです…番外編で、大学生活とか、やってるふたりとか(言い方)、魅せてもらえたら嬉しいです (2018年1月20日 23時) (レス) id: 0083b728f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作成日時:2016年12月2日 23時

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