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「お邪魔しまーす...」
「ごめんな。散らかってて。」
「いや...大丈夫」
寮にいた時とは打って変わって、いのちゃんの部屋はダンボールだらけだった
しかも片付け途中のものがかなりあるのに、棚の中はほぼ空っぽ
まるで引っ越し前みたいな惨状の部屋に入っていけば、ベッドの上だけはなぜだか綺麗で、むしろ座れそうなところがそこしかない、と言っても過言じゃないほど
...とりあえず、そこに座るけど、あくまでもいのちゃんとは若干の距離を取る
「ねぇ、なにこの微妙な距離は」
「いのちゃんが変なことしないように」
「きゃっ♡圭人ってば大胆♡そんなこと想像してるのぉ?」
「なっ...// ふ、普段の行いが悪いからでしょ!」
「いったぁ?!ちょっ...片付け途中の本投げんなよー」
なんてふざけて笑って、こんな時間がずっとつづけばいいのにって思っていたら不意にいのちゃんが俺に小さく手招きをする
注意して近づくと「あのね」と話し始めた。
「俺ね、ひとり暮らしすることにしたんだ」
「...そうなの?」
「うん!だから、はい!」
そう言って手に握られたもの。片手で包み込んでしまえるほどの小さな小さな贈り物は、それだけで俺の胸をいっぱいにした。
だってだってだって、こんなの、そういう意味だって捉えちゃうよ?
「待ってるから...いつでも、おいで」
「...いのちゃん、ありがとう!」
「卒業してからも、ずーっと一緒だからね?」
「うんっ...ありがとう」
いのちゃんが緑のリボンで、俺が青色のリボンがついているその小さな鍵は
ふたりの未来へ続く扉を、開けてくれたような気がした
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あかり(プロフ) - 翠恋さん» すごく嬉しいです!!!楽しみにしてます^^ (2018年1月22日 7時) (レス) id: 0083b728f1 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - けーた。さん» けーた。さま、コメントありがとうございます!長い間応援して頂けましたこと深く感謝致します。またこんないのけとちゃんたちが書けたらいいな、と思ってます。楽しんで頂けたならなによりです。これからもどうぞよろしくお願いします (2018年1月22日 6時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - あかりさん» あかりさま、コメントありがとうございます。また、長い間応援して頂けましたこと、心より感謝致します。番外編、ぜひ書きたいです!←他の作品が落ち着いた頃新作として出させて頂きたいと思いますのでその時までよろしくお願いします! (2018年1月22日 6時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - 完結おめでとうございます。…とは言いつつやはり少し寂しさも感じます;翠恋さんのお話でいのけと好きになった私なのでこちらのお話もとても楽しませて頂きました(*^^*)長い間の連載お疲れさまでした。これからも色々なお話を読ませて頂けるのを楽しみにしています* (2018年1月21日 16時) (レス) id: 5c1dcb4cdc (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 完結してしまったぁぁぁぁぁ(泣)連載はじめの頃から読んでて、とても大好きなお話でした。感動のラストで、もうこのお話が読めなくなると思うと悲しいです…番外編で、大学生活とか、やってるふたりとか(言い方)、魅せてもらえたら嬉しいです (2018年1月20日 23時) (レス) id: 0083b728f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2016年12月2日 23時