九話 ページ10
彼は揚々と続ける。まるで冒険譚を聞かせるように、自慢話のように。
｢原因は知らないよ。俺だって知りたいさ。元々は、君らでいう、そうだね……東京。そう、東京っていう都市に似たような都市が、その世界の中核にあったんだよ。でもね、俺が朝起きて、外に出たらあらびっくり！都市はボロボロに風化して、天と地は逆立ちしてる訳！空も真っ赤、地面に月は浮かんでる！｣
ひょうきんな笑顔は段々と、話していく内に薄れていく。そして、その笑顔は消え失せて、彼は続きを紡いだ。
｢それだけじゃないんだ。都市伝説とかが人の形を取ったもの……つまるところ俺たちを怪異と言う訳だけど。その怪異の一部が、なんの脈略もなく、急に元の伝承通りの姿に戻って、凶暴化したんだよ。これを、俺らの中では狂化と呼ぶんだけど……｣
また、どこか掴みどころのない笑顔に戻る。胡散臭いが、どうしても彼のペースに飲み込まれそうになるほどに、怪しげな魅力を放つ話であった。
｢それで、かんなは終末都市世界に来て、早々狂化した怪異にエンカウント！んでもって、たまたま見掛けた俺が、助けてあげようと思って契約を結んだんだ、だから、他人にも見えちゃう訳だ｣
一区切りつくと、手をぶんぶんと振るかんながこっくりと目を合わせた。未だに腕は熱い。それこそ、炎症したかのように。
｢そう、その契約って奴！それ何！？ホントに熱いんだけど！｣
｢あぁうん。契約っていうのは、怪異が人と契約するって意味だ。なんでこんなシステムがあるのかは知らないけど、契約すると、かんなには武器が与えられる。それと、俺の能力に似た能力が。人間側の武器は、なんも変哲のないただの武器だから、狂化した怪異に立ち向かうのは無謀だけどね。だから、能力でサポートとか、自衛をするように｣
｢それで、人間はどうでもいいんだよ、メリットが大アリなのは怪異の方。人間に与えられた武器と同じ武器が、怪異にも与えられる。その武器には怪異の能力が付与出来るわけ。そうすれば、普段よりもっと威力が出るようになる。狂化した怪異を殺すのにはもってこいだよ。……それと副反応っていうのかな？契約したら、人間と魂のどっかで若干の繋がりができるから、他人に姿が見えるようになるんだ。｣
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ぽんたこ(プロフ) - 嵩画さん» お返事遅れ申し訳ありません……学業、バイト等々が一段落つきましたので、更新するよう努めます……！ (2021年6月17日 22時) (
レス) id: 3c612b46c4 (このIDを非表示/違反報告)
嵩画(プロフ) - いつも楽しみに読ませて頂いております。どうぞ無理のない範囲で更新頑張ってください…！ (2021年6月2日 0時) (レス) id: 7cfb5b094b (このIDを非表示/違反報告)
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