十一話 ページ12
だからさ、頼めるよね？
言葉はなかったが、彼の笑顔には、確かに圧があった。
｢ま、無理にとは言わないよ。見たところ、お化けが嫌いな子もいるんでしょ？それでなんだけど、明日の放課後。俺はここに来る。そして、終末都市世界に、早速来てもらおうと思うんだ｣
｢きゃあ！？｣
まゆらの方をちらりと見て、こっくりは笑う。部屋の奥の方に隠れていた彼女だったが、完全に見られていることを悟り、怯えて部員に抱きついていた。
｢その時に来なかったら、それでいい。当日はどうせ案内だしさ。でも、俺がいない間に、現実世界に怪異が来て、襲われたって助けられないから、そこだけは理解しといてよね？｣
なんどもうるさいと思うけど、これだけは本当なんだ。と付け加えて。
｢そ、その！｣
距離を取っていた瑠亜が、怯えるように目を瞑りながら叫んだ。決死の覚悟での質問らしい。こっくりとしては、そこまで怯えられると悲しくなってくる。
｢ぼくたちは、恐らくなんですけど、終末都市世界に訪れた瞬間に気絶したんですよね？｣
｢あー、確かに部長以外、その世界を見た事ないですね｣
｢え、じゃあまた気絶するの！？｣
確かにそうだと梓が共感すると、響が心配気味に尋ねた。何度かこっくりは瞬きをして、忘れてた、と軽薄な笑いを浮かべた。
｢そりゃ、怪異が彷徨いてる世界に急に入ったら、気絶するよ。てか、今日のことはかんながおかしかったんだ。気絶したキミ達が普通｣
｢なにそれ、褒めてくれてんの？ありがと｣
皮肉気味にかんなは笑う。こっくりは呆れながら反論しようとしたが、話がさすがに進まないと思い、視界に入れないように露骨に目を逸らした。幸い、少し目線を上にすればかんなは目に入らない。
｢……まぁ、でも大丈夫。俺がいるから！キミ達はもう、こっくりさんという怪異に触れた。何度も自慢するけど、俺は怪異の中でもトップクラスに有名で力がある！だからそれで得られる耐性はもう、ステンレス鋼並だい！……ステンレス鋼で合ってるよね？｣
段々とフェードアウトしていく語調。最新の物には疎いんだ、と笑うが、ステンレスはさほど最近ではない。
｢まぁ、それでも初回はちょっと酔うかも。バス酔いだと思ってればいいさ。なんせ世界を移動するんだ、酔いくらいあるだろ。でもまぁ、怪異と契約すれば、向こうの世界でも十分に動けるよ｣
そう話しきったところで、チャイムが鳴る。
｢オカルト研究会！さっさと部室を返しなさい！ただでさえ非正規の部活なのだから……｣
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ぽんたこ(プロフ) - 嵩画さん» お返事遅れ申し訳ありません……学業、バイト等々が一段落つきましたので、更新するよう努めます……！ (2021年6月17日 22時) (
レス) id: 3c612b46c4 (このIDを非表示/違反報告)
嵩画(プロフ) - いつも楽しみに読ませて頂いております。どうぞ無理のない範囲で更新頑張ってください…！ (2021年6月2日 0時) (レス) id: 7cfb5b094b (このIDを非表示/違反報告)
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