序章 ページ1
｢困った困った……こんなお遊びレベルのもので召喚されちゃうとは……｣
それが出た瞬間、困惑やどよめきより速く、静寂が部屋を訪れた。
誰しもが口を開け、それとも目を見開いたことだろう。ただ、それは一瞬のことに過ぎない。それこそ、誤差だと言える程。
確かにオカルトが苦手で、泣きかける者も数名いる。彼らは未だに固まったままだろうが――
それよりも、精神が強かったり、耐性があったり、それからオカルトに興味を抱いている者の方が多い、圧倒的に。
なにしろここは｢オカルト研究会｣である。全てのオカルトを愛好し、心理を追究する同好会。勿論、入部者はオカルト好きである筈なのだ。まぁ、一部例外を除いてだが。
部員の一人は口で弧を描き、また別の部員は目を輝かせる。とある二人は召喚された"なにか"を見て、僅かに驚きつつも、二人で顔を見合わせて笑った。
｢ねぇ！おまえ……！｣
小柄な少女が、机に座るそれに近寄った瞬間である。
｢じゃ、君たちでいいよ。丁度いいし。……それでは、魑魅魍魎が集う、狂ってしまった世界にご招待っ！楽しんでね〜！｣
それは一方的に言葉を並べ、言い切る前に眩い光がそれを中心として、部室全体に広がった。実に人工的で、目に悪そうな光であった。
そして言の葉一つも発せることなく、彼女達の意識は、糸が千切れるような感覚と共に、そこで途切れた。
意識が途切れる前のあの浮遊感は、一体なんだったのだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽんたこ(プロフ) - 嵩画さん» お返事遅れ申し訳ありません……学業、バイト等々が一段落つきましたので、更新するよう努めます……！ (2021年6月17日 22時) (
レス) id: 3c612b46c4 (このIDを非表示/違反報告)
嵩画(プロフ) - いつも楽しみに読ませて頂いております。どうぞ無理のない範囲で更新頑張ってください…！ (2021年6月2日 0時) (レス) id: 7cfb5b094b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
