ホース達の旅立ち ページ2
貴方side
「戸締りよし!お腹痛くなった時のハーブでしょ、ちょっとしかないけど、へそくりも持ったでしょ」
そう言ってホープは自分の服の中にあるお守りを見る。
恐らく、服の中にある__________を確認しているのだろう。
「忘れ物なし!それじゃ、行ってきます!師匠!」
元気よく鍛冶屋を出ていこうとするホープを鍛冶屋の師匠は引き止める。
「おいおい・・・。本当にいっちまうのかよ、ホープ。そんな大荷物抱えて」
そんな師匠に申し訳なく思ったのか、ホープは振り返ると師匠に謝る。
「・・・すいません。鍛冶屋の仕事、続けられなくなっちゃって」
「見習いが、何いっちょ前な口利いてんだ。てめえみたいなガキが、本気で宇宙を旅する気かって聞いてんだよ」
師匠のもっともな発言に言い訳しか出来ないホープ。
「だって、カースがいなくなったんですよ!エテルノ中探しても、どこにもいないし・・・。
エテルノにいないなら、どこか他の星にいるはずだから。早く、探しに行かないと!
何か困ったことに巻き込まれてるのかも・・・」
ホープがカースを心配するのも無理はない。
昔から親代わりとして育てられたから。
「だがよ、カースが仕事で家をあけるなんて、これまでもしょっちゅうあっただろ」
そう、鍛冶屋の師匠の言う通り、カースはしょっちゅう家を空けていた。
しかし、今回みたいに1ヶ月も家を空けるなんてことはなかった。
だからこそ心配しているのだ。
「柄の悪いエテルノにゃ似合わねえ、学者先生みたいな人だったろ?シケた暮らしに愛想つかして出てっちまったのさ」
師匠の言葉にムキになるホープ。
「カースはそんな薄情な人じゃない!
親のいない僕を拾ってくれて、ずっと一緒だったんだ!あのカースが、そんなこと・・・。
必ずカースを見つけて帰ってきます!今度こそ、行ってきます!!」
そう言って私の腕を引いて、先を歩くホープ。
どうやって他の星を回るの?
私の声は、エテルノの砂嵐の音でホープには届かなかった。
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作者名:壮花 | 作成日時:2019年10月2日 21時