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4*お兄ちゃん ページ9

「………いでっ。」


横から手が伸びてきたと思ったら雄くん、そう、私の兄が私のほっぺたをつまんできた。




「…いったいなぁ。」

『あ、痛かった?』

「あのねぇ。いきなりつねられたら痛いに決まってるでしょ?」

『魂抜けてたから痛くないのかと思ってた』



…って!久しぶりに会うからってなんでもしていい訳じゃないからね?


横に並んでテレビを見てた私たち。


雄くんが私の顔を覗いて、


『Aちゃんのお顔、どんより曇り空ですよ〜。何かあったんですかぁ〜?』


って。

いつもAちゃんとか言わないくせに!


「悩めるJKなの。」

『ふ〜ん。』


雄くんは私のカステラをひと口食べた。

「はい!?自分から聞いといてなにさそれ。


ってあぁぁー!!!私のカステラー!」

『あ、どした?』

「…いじわる」

『うそうそ、なに?何かあったの?』


雄くんは新しいカステラを私のお皿に置いてくれた。


話したいけど話したくないっていうかなんて言うか…


自分の進路のことなんて自分で決めろって話だよねぇ…

でももう高二の冬か…

そろそろ決めないとなぁ…



『う〜ん。進路ねぇ。そんな1人だけで悩まなくてもいいのに。』

「え、なんで知ってんの?」

『独り言、漏れてたよ。』


机の上に置いてあったお茶に入っていた氷が、カランと音を立てた。


「…ねぇ雄くん、どうすればいいと思う?
何か特別やりたいことがある訳じゃないし、夢とかも何もなくて…」


ちょっと待ってなーとスマホで何か調べてる雄くん。




『高校2年の間までには行きたい分野とか決めとかないといけないんだろ?』

これ、見てみ。


そう言って見せてくれたのは自分の性格や考え方などから自分が向いている学部や分野を紹介してくれる図だった。




『でもなぁ、まだ焦らなくていいんじゃない?無理やり決めてもAの将来に関わることだし。』


「周りはほとんど決めてるんだよね。行きたい分野とか、早い子は大学までしっかり決めてる」


『Aが大学受験かぁ。もうそんな歳?17か。はや。』


なかなか決まらないしなぁ…


「なんか最近色々ありすぎて何もしたくないの。」


はぁ。とため息をついてソファーに飛び込む。

体がソファーの弾みで跳ね上がる。



『よし、じゃあ気分転換にどっか行くか!』


「え!行く!」


雄くんはそう言うとニコッと笑顔になって、車の鍵を取りに行った。

*→←*



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オむライス(プロフ) - はるちゅんさん» イメージ通りで良かったです! (2019年9月1日 0時) (レス) id: e648f2af03 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - ありがとうございます!そうそう、こんな感じ…です!!最強にイメージ通りです!←日本語おかしい 本当にありがとうございましたっ! (2019年8月31日 23時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)
オむライス(プロフ) - はるちゅんさん» 了解です!亡くなる系こうせくんので書いたので、すこし話挟んで載せます!リクエストありがとうございます! (2019年8月16日 9時) (レス) id: e648f2af03 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - って感じ?かな?でもよくわからなくなりました!どんなシチュエーションかはおまかせします。 (2019年8月16日 9時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - オむライスさん» バットだけどちょいハッピーですかね…例えばきよみーはこっちが好きだったけどこっちは事故死とかで死んじゃうけど、最後に手紙で想いが伝わる… (2019年8月16日 9時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オむライス | 作成日時:2019年8月6日 16時

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