君との日常

＊ ページ34

アナウンサー｢今日のヒーローは、西川選手です！｣


全打席安打、一人で4打点の大活躍。


大歓声の札幌ドーム。


アナウンサー｢すごい活躍でした。何か、感じるものってのはあったのですか？｣

『そうですっね〜…今日は何故かいつも以上にすごい力を感じました笑』



あの笑い方も、前と変わってなくて。


アナウンサー｢今日のヒーローは西川選手でした！！！！｣




え！ここ回ってくるじゃん！タッチするじゃん！


｢さ、さつき！に、西川くるっ！｣


なぜか西川選手は目が合うとニコってして、手渡しでサインボールをくれた。



こ、こんな嬉しいことあるっ〜！？


うわぁ、サインが書いてある…

その裏には…






(Aちゃん、だよね？)



さつき｢え、A…ちょっと知り合い!?｣

『う、ううん、全然！って訳でもないけど、随分前だよ…話したことがあるだけ…』


さつき｢これ、お返事とかしなくていいの！？｣


『で、でもどうやって』


そしたら小走りベンチに戻ろうとする西川選手が。


私たちの前を通る時にゆっくりになって。



口パクで。


『Aちゃん？』


頷く私。


『ちょっと、待ってて』



そう言って、西川選手は前にいた中島選手の横に並んだ。



｢ちょっと、待ってて？｣


さつき｢何がどうなってるか分からないけど、待ってみよ？｣


．



『もう帰ろうよ…』

さつき｢損するだけだよ?｣

『だって、』

さつき｢西川選手そのこと覚えてたらほんとにすごいよ？？｣

『そんなわけないし…』


ひとが少なくなった札幌ドーム。


さつき｢え、来たよ｣

｢えっ！？｣



だってそこには、着替えて走ってくる西川選手の姿があったんだもん。



『やっぱりAちゃんだよね！
アップの時あれ？見たことあると思ったんよ！
違ったらどうしようかと思ったよ笑』


｢あ、はぁ…｣


『…大きくなったね』




9年振りの再会ってやつ？

って笑う西川選手の笑顔、変わってなかった。


絵、貼ってるんやで〜って言ってくれて、

忘れとると思ってたやろ？

他の男の子と付き合ってない？とか。



そして、




『約束、忘れてないからな。

また迎えに行く。


今日は残っててくれてありがとう…

外まで送るよ』



____________約束、忘れてないからな。また迎えに行く。

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