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『ねぇAちゃん』
「どーした?」
『最近元気ない。どーしたの?』
クラゲがライトアップされて、二人しかいない静かな雰囲気の中、横に座っていた亮が私の手を少し強く握って言った。
「んー?そんなことないと思うけど」
『嘘ついても分かるんだからね?俺。』
なんでもお見通しです。
「仕事、やめよーかなって思っててさ。上手くいかないし、上司もあまり合わないし。仕事は増えてくばっかだし。」
せっかくのデート、こんな雰囲気になるはずじゃなかった。
下を向いて亮の目も見ることが出来なくて。
『辞めちゃえば?そんなに苦しんで仕事しなくてもいいよ』
もうちょっと頑張れ、とか言ってくれるのかと思ってた。
「でも辞めちゃったら仕事なくなるし。稼げないし。」
亮の表情は分からないまま。
『俺のお嫁さんになってよ。そして美味しいご飯作って?』
「……え?」
『んー!だってほら!僕がその分お金稼いで。もっともっと活躍するから。そのためにはAちゃんの作る美味しいご飯がないとダメだから。』
「亮…?」
『プ、プロポーズだよ、今の!』
そりゃ分かってる、けど分かってない。
「それって、結婚ってこと?」
『うん』
「ほんとに…いいの?
その、私が仕事辞めたら私お金稼げないし、その…」
『Aちゃんがいいの。ていうかAちゃんじゃなきゃ嫌なの。』
「私で良ければ…」
そういうとこ、大人なんだから…
『ほんと!?僕のお嫁さんになってくれる!?』
「うん!!」
『やった!ほんと!?』
「ほんと!」
『もうちょっとかっこよくロマンチックに言いたかったけどなー笑』
きっと、2人とも顔が赤いのは、赤くライトアップされたクラゲのせいじゃなくて。
『お土産!買いに行こ!』
『見て!このイルカの抱き枕!これAちゃんと思って遠征持っていけば寂しくない!でもでかすぎる!あはは!』
『このチョウチンアンコウのキーホルダー拳士さんに買おっかな。いや、でももったいない、やめとこ』
『この被り物、あのサメの後継ぎ!代替わり!』
あはは!とすんごく楽しそうな亮はカゴいっぱいのお土産を抱えていた。
でもそのほとんどが、
『これAにぴったり!』
『ピンクと青でお揃いにしよーよ!』
『Aの誕生日入りのぬいぐるみだって!』
私のために買ってくれたもの。
お揃いのマグカップ。
亮、これからもよろしくお願いします。
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オむライス(プロフ) - はるちゅんさん» イメージ通りで良かったです! (2019年9月1日 0時) (レス) id: e648f2af03 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - ありがとうございます!そうそう、こんな感じ…です!!最強にイメージ通りです!←日本語おかしい 本当にありがとうございましたっ! (2019年8月31日 23時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)
オむライス(プロフ) - はるちゅんさん» 了解です!亡くなる系こうせくんので書いたので、すこし話挟んで載せます!リクエストありがとうございます! (2019年8月16日 9時) (レス) id: e648f2af03 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - って感じ?かな?でもよくわからなくなりました!どんなシチュエーションかはおまかせします。 (2019年8月16日 9時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - オむライスさん» バットだけどちょいハッピーですかね…例えばきよみーはこっちが好きだったけどこっちは事故死とかで死んじゃうけど、最後に手紙で想いが伝わる… (2019年8月16日 9時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オむライス | 作成日時:2019年8月6日 16時