君との日常

＊ ページ24

『あの…大丈夫…ですか？』

｢だ、大丈夫です…｣


絶対大丈夫じゃないやつだ。


卓さんは車にあったタオルケットをだして、女性にかけた。

そして、近くのコンビニでたまたま買っていた暖かいカフェオレも渡した。

『…あ、あの…お家、帰らないんですか？』

｢すみませんっ。帰れないんです…｣


『迷子…ですか？』


｢いえ、家出してきたんです…｣



中島｢とりあえず、ここ寒いので…車、乗ってください｣


女性を車に乗せてから何かを目配せで訴えてきた卓さん。

(今日泊めてやれ)

(た、卓さんそれは無理ですよ！まだ名前も知らないし…)

(じゃあどうすんの。俺ん家今妹と姪っ子おる)

(え〜…)


中島｢今日はこいつの家で寝てってください。あの場所にいたら危ないですから｣


｢お、お泊まりなんて申し訳ないです…自分でホテルに泊まりますので…｣

『でもっ、お財布も何も…』


何も持ってない彼女。

スマホだけ、ポケットに入っていた。



俺ん家、布団はあるから大丈夫か…。


『今日は僕の家に…』

｢すみません…ありがとうございます…｣


『あ、あの僕、松本剛って言います。あ、26になったばかりです。お名前は？』

｢AAです…24歳になりました…今日…｣


『今日ですか？お誕生日おめでとうございます！』


Aさんと共に車をおりて、僕の住むマンションのエレベーターの中。


｢あ、あの…私年下なのでその…敬語とかじゃなくて大丈夫です…｣

『わかった。じゃあAちゃんも敬語じゃなくていいからね！』

｢えっ、でも…｣

『いいのいいの。変に気使わなくて。歳も近いんだし。』

｢わかった…｣



Aちゃんが動く度に見える腕の痣、俺は大体だけど、予想がついた。


Aちゃんが家出した理由。

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