君との日常

8＊双子 ページ16

『ママ！僕、Aのこと1番に守るんだよ！僕ね、ヒーローなんだよ！』


母「そーなの？健介ヒーローかぁ。かっこいいねぇ！」


『そうだよ！今日さとみ先生がね、あのね、言ってくれたんだぁ！』


3歳の頃、健介が保育園の帰り、お母さんに楽しそうに言ってたのを今でも覚えている。


私もヤンチャな女の子だったんだけど、それ以上に元気でヤンチャだった健介。



何があっても、すぐに私を助けてくれたっけ…


．




『あ、彼氏と続いてんの？』


｢何とか続いてるよ｣


『何とかってなんだよ笑
なんかあったらすぐ言えよ？』


｢わかってるよぉ…｣


『で、何があったの？バレバレなんだけど。』


ビールが入ったジョッキをテーブルに置いた。

健介、こういうとこ鋭いんだよなぁ…



久しぶりに双子2人で居酒屋で飲んでいる。


美味しそうに食べるねぇほんと。




｢私に隠してなにかしてそうなの。私は好きなんだけどなぁ…｣


『女？別にいるってこと？うま、これ。』


目の前にあった唐揚げを大きな口を開けて食べた健介。


｢うん…まだちゃんと見たわけじゃないけど、こそこそして、最近LINEも見せてくれないし。｣


『ふーん。Aって昔から見る目ないよね。』

｢うるっさいわね。ハズレばっかりなの！｣

『未だに苗字も近藤のままだし。』

｢そのうち変わるの！｣


こいつディスってきやがる…



｢で！あんたは上手くいってんの？奥さんと｣


『あ、うん。上手くいってるって言うよりそばにいてくれないと俺生きてけないもん。

ご飯も美味いし』


いいなぁ…

早く家族ってのをつくりたいなぁ。



全然食ってないじゃん。と、健介がたくさんの料理を私の前に置いてくれる。



ざわざわ賑やかな居酒屋。


子供の頃の懐かしい話、


幼なじみの今の姿、


2人の今の生活。


たくさんの話題で溢れて、爆笑して、ご飯も美味しくて、




このまま楽しい気分に浸って家に帰る予定。


だったのに。

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