16 ページ43
宮舘も渡辺も信じていないなんて、そんなつもりは無かった。
しかし、今までの行動は宮舘と渡辺を信用していない事に起因していたのかもしれない。
宮舘と渡辺に安易に近づく事は赦されないと思っていた。自分をさらけ出す事は赦されないと思っていた。赦されないから、必死で二人を守ろうとした。
きっと二人が自分を赦してくれないと思っていたから、ではない。
赦してくれる、と信じる事が出来なかったから。
dt「……俺達は目黒に信じて欲しいって思ってるよ」
mg「……っ」
dt「俺達は怒ってない。恨んでない。もっと目黒と仲良くしたい。もっと……信じて欲しい」
目黒はしばらく黙り込んだ。
何も言わずに俯く目黒を見て、宮舘はそっとマグカップを目黒に押し出した。
目黒はマグカップをじっと見つめた。宮舘や渡辺の顔とマグカップを交互に見やって、目黒は初めてホットミルクに口をつけた。
ややぬるくなったホットミルクが目黒の体に沁みる。カップを机に戻し、目黒は小さく呟いた。
mg「……ごめんなさい」
nb「だからさあ」
mg「今まで、本当にすみませんでした」
dt「……目黒」
座ったまま目黒が深く頭を下げる。渡辺と宮舘は顔を見合わせた。
二人はどうすれば良いのか悩んだが、その心配は杞憂に終わった。上がった目黒の顔はすっきりとしていた。
mg「……俺はもう『
nb「……そう」
mg「俺はLuna、ですもんね」
dt「そう。お前はLuna、「Team S」の大切な仲間」
目黒が宮舘の目を、そして渡辺の目をしっかり見つめて問うた。
mg「俺はもう敵じゃない……仲間、ですよね」
dt「勿論」
nb「当たり前だろ」
ようやく目黒が控えめに笑みを浮かべた。やっと、吹っ切れた。
目黒は十分すぎるくらい飲みやすくなったホットミルクを飲み干して、二人に伝えた。
mg「これからも……よろしくお願いします」
dt「……ふふっ、よろしくね」
nb「おう……何か恥ずかしいな」
妙に恥ずかしがる渡辺を見ていると、無意識のうちに目黒の口から欠伸が漏れた。
それを見た宮舘が立ち上がる。渡辺もそれに続いた。
dt「じゃあ俺達はこれで……目黒、寝なよ」
mg「あ……すいません」
dt「別に悪い事してないじゃん、謝らないでよ」
nb「いいから24時間くらい寝てろ」
dt「何処の阿部だよ」
渡辺と宮舘が言い合いしながら目黒の部屋を出ていく。
その後、目黒は日が暮れるまで部屋から出て来なかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1673人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» ありがとうございます! そうですめめです! ゆっくりですがこれからもお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年7月16日 21時) (
レス) id: 03141f9b41 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 移行おめでとうございます！次の加入組はめめですかね？今後の展開も楽しみにしています！ (2020年7月13日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：怜
| 作成日時：2020年7月12日 15時
