司「君の特等席…俺に変更しない？」肆 (ページ46)

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181話ページ46

藤「宿泊学習では毎年夜時間に伝統工芸の竹細工を体験します。

こういった細い竹ひごを組み合わせて籠を編みます

花籠・バッグ・ランプシェード⋯他にもいろいろ作れるんで各自由に挑戦してみてください

こちらはカゴメ会竹細工伝承クラブの皆さんです。編み方を教えてもらいましょう」

︎︎
貴「ここを入れ替えて〜通す⋯」

「そうそう」

貴「わっ！」

バラバラになっちゃった

「あらあらまぁ」

葵「A大丈夫？飛んできたよ」

貴「ありがと葵⋯はっ！」

え！葵のすごい！めっちゃ綺麗！

モテ女は竹細工すら上手⋯恐るべしモテクイーン！！

檸「にしてもウチの学校変わってるよな。泊まりがけで籠作るって⋯」

横「学校に泊まるってあんまり高校でやらないですもんね〜見学の横尾ですー」

佐「見学の佐藤です。昔からの伝統行事なんでしたっけ」

貴「言われてみれば確かに不思議な伝統かも⋯」

「昔はなぁ⋯月待ちと言ってねぇ。こんくらいの時期になると子供たちで集められて、夜通し籠を編んじゃ
お喋りをして⋯夜を明かしたものさね」

葵「それ私、聞いたことあります。宿泊学習は月待ちが元になってるって

この宿泊学習には決まった消灯時間もないし、ずっと起きてても先生たちに怒られたりしないでしょ？

夜明かししていた昔の名残なのかもね♡」

貴「へぇー⋯そうなんだ！」

「よく知ってるねぇ」

「さすが赤根さんちの娘さんだねぇ」

葵「おじいちゃんに聞いただけなので」

「なるほどね〜」

葵「でも、どうして昔の子供達がずうっと起きてたと思う⋯？」

貴「ん？うーん。籠をたくさん作らなきゃいけなかったとか⋯？」

葵「ううん。眠るとね⋯人の魂は無防備になるの。無防備な魂のところには来るから」

貴「⋯⋯何が？」

葵「死神」

貴「⋯⋯⋯しッッ！？」

葵「死神はね不思議な笛を持っていて、その音色で人の魂を捕まえるの」

貴「笛⋯？」

そういえば夕方⋯

ま、まさかね

葵「だからもしその音が聞こえてしまったら⋯その人は死神の元に誘われて死んじゃうんだって⋯」

貴「！？」

死んじゃう⋯⋯死んじゃう⋯死んじゃう？